あらすじ
糸子(尾野真千子)の思いに反し、オハラ洋装店では筒型のサックドレスの注文が相次ぐ。どうしてもサックドレスがよいと思えず、糸子は八重子(田丸麻紀)に世の中に遅れを取る不安を訴える。予想どおり糸子がデザインした服は売れず、北村(ほっしゃん。)に頭を下げることに。夏休み、直子(川崎亜沙美)が源太(郭智博)たち同級生を連れて帰省してくる。その奇抜な格好にどぎもを抜かれ、糸子は若者との違いをまたも痛感する。
107回ネタバレ
小原家
オハラ洋装店
<悪ない… 何も悪ない。 ここが くびれて ふわっと広がる。 女を 一番きれいに見せる形や せやけど…>
2人「こんにちは!」
昌子「いらっしゃい!」
糸子「いらっしゃい。」
松田「いらっしゃい。」
「あの~ サックドレス 作ってほしいんですけど。」
昌子「はあはあ サックドレス。」
「これ。」
昌子「任せて下さい。 先生! お願いします。」
糸子「は~い。」
昌子「今日も 朝から もう3件 ありましたわ サックドレスの注文。」
「ほんまあ。 人気やもんな。」
「うちも はよ着たいわ~。」
糸子「こんにちは。」
「こんにちは。 このサックドレスちゅうの お願いします。」
糸子「はいはい サックドレスな 任しといて。 ウフフッ どうぞ!」
珈琲店・太鼓
糸子「こんな不安 初めてや。」
八重子「う~ん けど… 全然 悪い事は ないで。 これ うちは 欲しいけどなあ。」
糸子「いや せやけど サックドレスの注文 この1週間で 倍に増えてな 昨日なんか 8割 超えたんや。 うち… 読み違えた。 サックドレスは うちが思てたより ずっと はよ 大阪に届いたっちゅうこっちゃ。」
八重子「う~ん その… この商品は もう仕上がってしもたん?」
糸子「100着 25万円分。 今頃 北村が 問屋 走り回ってるやろけど… 売れてるとは思われへん。」
八重子「はあ…。」
糸子「うち やってしもたかもしれん。」
八重子「いや まあまあ なあ 糸ちゃん そない思い詰めなて。 まだ 分かれへんし あかんかっても また 取り返したら ええやんか なあ。」
糸子「いや ほんでもな… うち 一番ショックなんは…。」
八重子「はあ?」
糸子「どないしても サックドレスが ええと 思われへん事なんや。 あんなけ若い子ぉらが 目ぇ輝かしてるデザインに うちは よう 目ぇ輝かさんやし。 うちは… 世の中に 後れ 取ってしもてる。 間違いのう。」
小原家
居間
北村「おい 猫 なめた事 あるで。」
(笑い声)
北村「逆にいっちゃった みたいな。」
昌子「何で なめたんですか? そんなん あきませんわ。」
北村「男はね なめられたら あきまへんねんで これ!」
昌子「せやけど なめるって… どうでした?」
北村「ザラザラやな あれ!」
(笑い声)
北村「どんなね きれいな猫でも ザラザラ あれ。」
千代「そんな あきませんわ。 帰ってきた。 お帰り。」
聡子「お帰り。」
一同「お帰りなさい。」
北村「おう。」