村岡家
寝室
花子「『私は お友達もできて…』。」
(せきこみ)
花子「『毎日 楽しく 学校でお勉強しています。 ご安心下さい』。 美里 元気でやってるのね…。」
(せきこみ)
花子「よかった…。」
<美里は 花子を心配させたくなくて そう書いたのですが…。」
安東家
居間
朝市「美里ちゃん… ずっと学校に なじめんみてえで。 今日も 東京もんってこんで からかわれたらしくて 校庭の隅で泣いてたです。」
吉平「ほうか…。」
朝市「今まで 気付いてやれなんで すいません。」
ふじ「朝市のせいじゃねえさ。 美里ちゃんは 優しいから きっと 東京の おかあの病気のこんが心配で 心細かっただよ。」
村岡家
寝室
英治「花子さん。 具合は どう? おかゆ作ったんだけど。」
花子「ありがとう 英治さん。」
英治「何か欲しいものは ない?」
花子「あっ じゃあ あの本を。」
英治「『ANNE of GREEN GABLES』?」
花子「ええ。」
英治「分かった。 後で持ってくるけど まだ無理しちゃ駄目だよ。」
花子「はい。 頂きます。 これ…。」
英治「後で 気分がよくなった時にでも 読んで。」
(せきこみ)
花子「『いとしい花子さん。 一つ屋根の下にいながら 君に会えないとは 僕らを遮る障子が憎い』。」