連続テレビ小説「花子とアン」第36回「腹心の友」【第6週】

蓮子「何があっても 今日の事は 絶対に忘れない。 はなちゃんも忘れないで。」

はな「じゃあ 私も忘れない。 釣りに来たのに 一匹も釣れないで お尻が痛くなった事!」

蓮子「フフフ 私も さっきから痛かったの!」

はな「イタタタ…。」

蓮子「ああ…。」

朝市「はな!」

はな「朝市! しばらく。」

朝市「初めまして。 蓮子さんの事は いつも はなの手紙に 書えてあるから 知ってます。」

吉太郎「一匹も釣れんだけ。 ほんなこんだろうと思って 手伝えに来ただよ。」

はな「兄やんは 釣りの名人なのよ。」

蓮子「へえ!」

はな「朝市は 師範学校に行って 先生になるの?」

朝市「うん。 おかあと大げんかしたけんど どうしても諦められなんで。 はなも 上の学校に行くら?」

はな「まだ迷ってるだよ。」

朝市「吉太郎さんや かよちゃんに 気兼ねしてるだけ。」

はな「正直言うと 自信がないの。 家族に苦労かけて 私だけ 好きなこん さしてもろうて もし 期待に応えられなかったら どうしようって。」

朝市「おらだって 師範学校の試験 受かる自信なん ねえだ。 ふんだけんど 一生懸命やるしかねえじゃん。 一生懸命やって勝つ事の次に いい事は 一生懸命やって負ける事だ。」

太郎「あっ 蓮子さん 引いてるじゃん!」

蓮子「えっ?」

はな「早く! 魚が逃げちもうら!」

蓮子「どうしましょう…。」

吉太郎「引っ張れ!」

はな「兄やん 兄やん 手伝って!」

吉太郎「おう。」

はな「早く!」

朝市「引けし 引けし!」

はな「早く 早く!」

朝市「おお~!」

蓮子「釣れたわ! 釣れたわ!」

吉太郎「てっ! こんな でっけえの おらも釣った事ねえ!」

蓮子「てっ! 本当に? うれしい!」

はな「蓮様 すご~い!」

<蓮子にとって それが 青春の最後の1ページになりました。>

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