回想
「さっさと歩かんか!」
山田「浅野先生…。」
吉平<それっから おとうは 仲間の国松と逃げただ。>
回想終了
吉平「国松の田舎が新潟だったから そこの山奥に隠れたり…。」
はな「ほうだったのけ…。」
吉平「おとうが 警察に手配でもされたら 家族みんなに迷惑がかかる。 ほう思って 必死で身を隠してただ。」
はな「おとう。 まだ隠れなきゃならんだけ?」
吉平「いや…。 全部 おとうの思い過ごしだった。」
はな「思い過ごし?」
回想
吉平「浅野先生。 よかった…。 出所なさったんですね。」
浅野「ええ。 1か月ほど前に やっと出られました。」
吉平「じゃあ もう安全なんですか?」
浅野「いや 連中は 一度 目をつけた人間を 簡単に自由にしたりはしない。 今も その辺りで 見張ってるでしょう。」
吉平「危ねえ! じゃあ 隠れねえと。」
浅野「安心して下さい。 心配しいなくても あなたは 捕まったりしませんよ。」
吉平「どういう事ですか?」
浅野「連中が追っているのは 小説家や出版社の人間 それに 我々新聞社のような 世間に影響力を持つ人間です。 ですから あなたが 逃亡する必要はないんです。 では。」
回想終了