あらすじ
突然帰ってきた吉平(伊原剛志)に、怒りを抑えられず思いのたけをぶつけた吉太郎(賀来賢人)。家族の状況を何も知らなかった事にさすがにショックを受けた吉平は、夜も眠れずひとり縁側へ出てくる。そんな父を心配し話しかけるはな(吉高由里子)に、吉平は空白の4年間について語り始める。社会運動に身を投じ、逃亡をつづけていた吉平が明かす意外な結末に、はなはかける言葉が見つからない。その時、ふじ(室井滋)が…。
51回ネタバレ
安東家
居間
吉太郎「おとうなんか… こんな おとうなんか おらたち家族に必要ねえ!」
はな「兄やん!」
<いつの時代も 父と息子は 対立するものなのでしょうか。>
夜
庭
(虫の声)
はな「おとう。 グッド イブニング。」
吉平「びっくりした。 こんな夜中に どうしただ?」
はな「おとうこそ また どっか行っちもうのかと思ったさ。」
吉平「もう どこにも 行く当てなんてねえ。 まあ このうちにも おとうは 必要ねえだろうけんどな。」
はな「ほんなこん ねえよ。 おとうは このうちの事 何にも知らなんだから 大急ぎで勉強してもろうさ。 宿題だって出すよ。」
吉平「宿題もけ。 ありがとうな はな。」
はな「ねえ おとう。」
吉平「ん?」
はな「4年も どこで何してたでえ? どうして 一度も 帰ってこなんだの?」
吉平「おとうは 東京で ある人の演説を聞いて 心をつかまれてな…。」
回想
浅野「労働者教育の充実を図るべし!」
一同「充実を図るべし!」
吉平<行商をしながら 社会主義っちゅう思想を広める 伝道行商というのをしてただ。>
吉平「俺たちの生活は ますます 苦しくなるばっかりだ! こんな世の中を変えるのは 社会主義なる思想です!」
回想終了
はな「てっ! 社会主義って 警察が取り締まってる あの?」
吉平「ほうだ。 今の社会は 苦労して働いてる 労働者が報われねえで 金持ちばっかが どんどん裕福になる仕組みだ。 ふんだから 世の中変えるために 日本中 あっちこっち 駈けずり回ってただ。 ふんだけんど ある時…。」