連続テレビ小説「花子とアン」第81回「ゆれる思い」【第14週】

カフェー・ドミンゴ

はな「醍醐さん 今朝は 本当に ごめんなさい!」

醍醐「いいのよ。 ああいう事は たまにあるし 助け合うのは 当然でしょう。 ねえ はなさん。 村岡さんの事で 傷ついてるのは 分かるわ。 英治さんの奥様が…。 私も 何と言うか 裏切られた気持ちになったわ。」

醍醐「でもね その事と仕事は別よ。 なるべく早く 気持ちの整理をつけた方がいいわ。 思い出してみて。修和女学校の先生方は どんな時も 教師という自覚を持って 生徒一人一人に真摯に 向き合って下さっていたでしょう。」

はな「ええ。」

醍醐「そんな先生方のお姿こそ 仕事に向き合う時のお手本だと 思ってるのよ。」

はな「醍醐さんの言うとおりだわ。 私 本当に 自分で恥ずかしい…。」

醍醐「愚痴でも お買い物でも やけ酒でも 何でも おつきあいするわ。 明るくて へこたれない はなさんに早く戻って。」

はな「醍醐さん… 本当に ありがとう。」

かよ「お待たせしました。 さあ こぴっと召し上がれ。」

醍醐「頂きます。」

はな「頂きます。」

(ドアベル)

かよ「いらっしゃいませ。」

はな「どうも 昨日は…。」

平祐「やあ。」

かよ「昨日?」

はな「(小声)村岡さんのお父様。」

かよ「てっ! 郁弥さんのお父さん。」

醍醐「…って事は 英治さんのお父様!」

平祐「(せきばらい) この店も だんだん 居心地が悪くなってきたな。 帰ろうかな。」

かよ「そんな事 おっしゃらずに。 どうぞ。」

荒井「駄目だな。 所詮 ブルジョアが暇潰しに書いた本だ。」

田中「でも まあ これを たたき台にして 俺たちで書き直せばいいか。 そろそろ稽古に入りたい。」

龍一「いや 今回は 全部 このまま いく。」

荒井「本気か?」

田中「こんな ほれた腫れただけの芝居 男は 見ないぞ。」

龍一「十分だ。 この本には 白蓮の反逆の叫びが しっかりと刻み込まれている。 世の女たちに 立ち上がって 声を発するきっかけを与えられる。」

「さては お前 あの女に ほれたな?」

田中「おいおい。 まさか 本気じゃないだろうな?」

龍一「とにかく このままの本でいく。 みんなを集めてくれ。 稽古を始める。」

龍一「どうも。 先日は ありがとうございました。 三面記事で 人を判断すべきでないと よく分かりました。」

平祐「帝大生ともあろう君たちが あまりに浅はかだったから 苦言を呈しただけだ。」

龍一「いい出会いになりました。 この歌集に出会う前と後では 僕は すっかり変わってしまったの かもしれません。」

平祐「ほう。」

龍一「そのお礼が言いたかったので。」

かよ「ありがとうございました。 また お待ちしてます。」

「ありがとうございました。」

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