ブライダルサロン
美鈴「狩野さん!」
純「どうしたんですか? お2人とも? あれ? お友達と一緒に二次会に行ったんじゃ…」
靖鷹「どうしても お礼が言いたくて」
美鈴「2人で話していたんです あなたが 担当で本当に良かったって!」
純「いや そんな ありがとうございます」
美鈴「ありがとうございました」
純「お幸せに」
靖鷹「じゃ」
おじぃ 私はやっぱり お客さんの こんな 笑顔が見たいから この仕事をやってるんだ
露木「狩野!」
純「はい!」
露木「お前のせいで 式の段取りが狂ったって 各部署から クレームが来てるぞ! 反省して 報告書書いとけよ!」
上司に怒られのなんて どうでもいい やっぱり 私は 自分にしか出来ないサービスを 続けたい
自宅
一同「乾杯!」
愛「でも 良かったですね 初めての結婚式が大成功で」
純「ありがとう」
剛「うま! 愛さんの料理最高ですね」
誠「くさいですよ!」
純「あのさ! 悪いけど いつまでも ここに置いとくわけには いかないからね」
誠「え?」
剛「なんで?」
誠「邪魔やから 出ていけってこと?」
愛「新しい引っ越し先 決まったんだよ」
純「じゃじゃじゃーん! 今日の花嫁さんのおとうさんが 不動産屋さんをやっていまして 格安の良い物件を紹介してもらいました」
剛「ええ じゃあ 俺も そこに置いてよ」
誠「私も」
愛「誠は ちゃんと お家に帰った方がいいよ 司法試験やめるんだったら お母さんにちゃんと話さないとだろ?」
誠「なによ? 兄貴らしいこと言って?」
純「剛! あんたもね いつまでも フラフラしてないで いい加減将来のこととか ちゃんと 考えなさいよ!」
剛「うっさいな もう!」
チャイムが鳴る
誠「今度は 誰?」
純「はい! 桐野さん! え?」
桐野「ちょっと いいかしら?」
愛「純さん」
純「あ どいて 早く!」
桐野「ごめんなさいね お食事中に あなた 結婚するの?」
純「あ はい」
桐野「だったら なんで早く 会社に報告しないの?」
純「婚姻届けを出してから 報告しようと思ってたんで 明日休みなんで 出しに行ってきます」
桐野「明日は 出社しなさい!」
純「え?」
桐野「模擬結婚式があるのは 知ってるわよね? それが終わったら 会場や衣装を借りて チャチャッと あの2人の結婚式もやってあげてよ という 社長命令なの」
純「いや あの でも ね? 私たちは 式挙げる予定はないんで」
桐野「だったら 早く社長に断りなさい 従業員も出来る限り 参列するように言われて 皆 迷惑しているの」
いやいやいや そんな あからさまに 言わなくても
桐野「もしもし 社長 狩野に代わりますので」
純「あの もしもし はい あ! ちょっと!」
電話を切る誠
純と愛「え?」
誠「お言葉に甘えて やったら? 結婚式 堂々と写真とって ママらに送りつけてやればええやん?」
愛「それは さすがに…」
剛「俺も見てみたいな お姉の上でウエディングドレス姿 あ! でも似合わないだろうな」
純「うるさいよ あんた!」
剛「絶対 似合わないよね」
純「絶対 やんないから! 私」
誠「ふーん そう? じゃあ 私 証人やめるから!」
愛「ちょっと 待て 待て」
純「ちょっと!」
正「ウソ! お前 結婚すんのか?」
純「うん それでさ… あの 急で悪いんだけどさ 明日 大丈夫かな? お兄ちゃん」
正「ちょっと待って! ねえ マリヤ 純がウエディングやるから 明日 大阪に来てくれってさ」
マリヤ「なに? 私たちのウエディングは?」
正「いや それは… また いずれ ちゃんとね」
マリヤ「おねがいしますよ!」
正「はい…」
マリヤ「あのさ 旅費って 出るのかな?」
純「旅費?」
愛「あ うん…」
純「うん 出す!」
マリヤ「だったら 行くよ」
正「ではでは シーユートゥモローって ことで あ! そうだ 純 親父たちには 連絡したのか?」
純「ううん してない…」