客室
純「(ノック)灰田様! いたら返事して もらえますか? 灰田様?」
まさか… 死のうなんて思ってないよね?
純「いるんだったら 返事してください! 灰田さん!」
室内
純「あ! 寝てるだけかも?」
純「あ 灰田様? 灰田様… 灰田さん! 灰田さん! しっかりしてくださいよ! なんで こんなバカなこと してるんですか?」
千香「先生呼んできます!」
純「起きてくださいよ!」
灰田「なにやってるんですか? あなた?」
純「生きてた… 良かった… 大丈夫ですか?」
灰田「なんなんですか? 一体? 気持よく寝てたのに」
純「あ… すみません 私 死んだのかと勘違いして」
灰田「え?」
純「あと お節介なことをして 本当にすみませんでした 失礼します」
灰田「ウソです」
純「はい?」
灰田「死のうとしたけど 出来なかったんです」
純「え?」
灰田「バカみたいでしょ フラれて当然ですよね」
純「そんなことないですよ」
灰田「俺なんかより 向こうの男の方が ずっとマトモなんですよね」
純「いや そんなこと…」
灰田「女性から見たら」
純「そんなこと…」
ない とは言えない… いかん 何か言って 励まさなくては
純「あの… ほら あれですよ あなたは 愛があふれてるから それに気づいてくれる人が現れます すぐに」
灰田「そうでしょうか?」
純「おじぃは いつも 言ってました あ 祖父です 祖父 この世に 意味のないことなんか 1つもない って だから 灰田さんが彼女にフラれてしまったのも きっと 本当の 運命の人と出会うためです」
千香「先生 呼んできました!」
純「ごめん 大丈夫だから もう すみません 先生も本当に ごめんね! 大丈夫だ 私の勘違いだった」
灰田「ありがとうございました おかげで吹っ切ることが 出来ました」
純「本当ですか?」
灰田「あなたに会えてよかった」
純「いやいやいや 本当にすみません ありがとうございます」
自宅
純「いやー 良かったよ 本当に話しが分かってくれてさ うん うん やっぱ 私さ ブライダル向いてんのかもしんない? 愛くんのクリームシチューはおいしいし もう最高! あ お代わり」
愛「はい」
純「ん? なに? 喜んでくれないの?」
愛「ああ いや 気にしないでください」
純「いやいや 待ってよ なに?」
愛「多分 僕の勘違いです」
オオサキプラザホテル
ブライダルサロン
純「いらっしゃいませ…」
灰田「すみません」
純「ああ いらっしゃませ 今日はどうしたんですか?」
灰田「昨日 名刺いただくのを 忘れたから」
純「あ! 名刺 待田です」
灰田「実は こちらで結婚式を挙げようと思って」
純「え? もう お相手見つかったんですか?」
灰田「はい! あなたです!」
純「は?」
灰田「僕と結婚しましょう! 待田純さん!」
おじぃ 今 何を言うた? この人?