客室
北見「なんですか?」
水野「大変失礼ですが お客様にご迷惑をおかけした せめてものお詫びに こちらを お納めいただけませんか?」
北見「何ですか? それ?」
水野「当ホテルの 無料宿泊券でございます」
北見「もう お気持ちは大変ありがたいんですが」
水野「え?」
北見「私の家は 北海道ですし それに もう年なんで 当分このホテルには 来られそうに ありませんから」
水野「でしたら ご家族の方にでも」
北見「家族は 居ません 私は今日 この部屋に居たいだけなんで すいません」
水野「失礼いたしました」
純「ちょっと 待ってください! あの わけを教えて下さい なんで この部屋じゃなければ ダメなんですか? なんで 今日じゃなければ ダメなんですか?」
北見「すみませんが」
純「いや でも…」
水野「大変失礼しました」
ロビー
水野「まあ 仕方ないよ やれるだけのことはやったし」
純「はい」
水野「そうだ 今日 終わったら 気晴らしに 飯でも食いに行こうか? おごるからさ」
純「はい…」
水野「じゃあ 終わったら 外で待ってるから ね?」
千香「チッ」
休憩室
(携帯の着信)
純「もしもし?」
剛「もしもしお姉? 今さ すっげー良い事あってさ なんだと思う?」
純「いい事?」
剛「500円見つけちゃいました」
純「その500円で 好きなもんでも 買え! バカ!」
(携帯の着信)
なんだろう? もしかして 仕事初日だから 心配してかけてきたとか?
純「もしもし」