連続テレビ小説「カーネーション」第112回「あなたを守りたい」【第20週】

北村「毎度!」

「あっ 北村さん 来た!」

「お待ちしてました! すんません。」

北村「忙しいのによ。」

「ほんまやね 忙しいのに。」

糸子「えっ 何で?」

「北村さんが 今日の講師やで。」

糸子「何の?」

「既製服商売の。」

糸子「既製服?」

「うん。」

北村「で レディーメードゆうたら 今まで 安物や思われてましたやろ。 せやけど 最近 このプレタポルテ ゆうのが 出てきた。 高級既製服。」

<このごろ 既製服が 本格的に広まり始めて これまで オーダーメードでやってきた人らも そろそろ そっちへ商売替えを 本気で考え出してるようでした>

北村「国内の工場で 量産する。 ほんなら どうなったか…。」

<何で 北村の講義なんか 真面目に聞かな あかんねん>

北村「半値以下まで これ 値ぇ下げられたんや!」

2人「はあ~!」

糸子「アホらし!」

小原家

玄関前

<昔は あんなけ待ち望んじゃった 時代の変化ちゅうもんが 今のうちには 何や怖い。 アメリカのもんやからて そないジャンジャカ 売れる事も もうないし。 下駄は 完全に 靴に 取って代わられてしもた うちは 今 47 お父ちゃんが 呉服屋の看板を 下ろしたんは 50の時やった>

オハラ洋装店

サエ「こんにちは~!」

優子「はれ! サエおばちゃんや。」

サエ「いや~ ちょっと 優子! あんた 立派なおなか なってえ~。」

優子「せやねん。 おかげさんで 今 7か月。」

サエ「いや~ ちょっと触らして!」

優子「ええよ ええよ。」

サエ「いや~! いやいやいや…。」

糸子「はれ~ いらっしゃい!」

昌子「まあ!」

糸子「いや~ 久しぶりやなあ!」

サエ「こんにちは~! ますます元気そやんか。」

糸子「うん 元気 元気。 アハハハ なあ!」

<サエは 今 心斎橋で 高級クラブのママをやってて 時々 こないして 若い従業員を 連れてきてくれます」

優子「うん。 こんな感じで どうでしょう?」

サエ「あんな もうちょっと こう ライン 入れてほしいのや。」

優子「せやから 最近の流行ちゅうのは もっと…。」

サエ「いや いらん! うちは 流行りは どうでもええんや。 頼むさかい このごろ流行りの アッパッパみたいのに せんといて! あんなん 喜んでくれる客なんぞ 一人も おれへんよって。 とにかく ここで キュッとなって 足元まで シャ~ッと流れるやつや。 ドレスはな 女を 2割増し3割増しに 見せて 何ぼやで。 流行っちゃったら ええちゅうもん ちゃう。 何や? 糸ちゃん。 どないしたん?」

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