あらすじ
北村(ほっしゃん。)は糸子(尾野真千子)の服のタグをディオールに付け替えて売りさばき、詐欺罪で逮捕されたのだった。その騒ぎの中、直子(川崎亜沙美)が優子(新山千春)をしった激励する電話をしてくるが、優子には伝わらなかった。三浦(近藤正臣)から北村の話を聞き、がっくりする糸子。そこに優子が心を改めて店に出ると言い始める。数か月後、北村も招き優子の結婚式が行われた。直子は奇抜に装うが着替えさせられる。
111回ネタバレ
小原家
オハラ洋装店
優子「装麗賞や。 うちが取られへんかったやつや。」
居間
優子「どうせ うちには 直子ほどの才能もない! 店に出たかて 迷惑ばっかりかける! どないしようもない 役立たずの邪魔もんや! やる事なんか ないやんか!」
松田「ああ!」
オハラ洋装店
刑事「小原糸子さんは おられますか? おととい 6月10日 北村達男を 詐欺で逮捕しました。」
糸子「え?」
東京・小原宅
(カラスの鳴き声)
松田『はい オハラ洋装店です。』
直子「あ もしもしお? うち 直子。」
松田『ああ 直ちゃん。』
直子「姉ちゃん おる?」
松田『優ちゃん うん いてるよ。』
直子「あ いや 代わらんでええねん。 あんな 姉ちゃんに言うといて ほしい事があるんや。」
松田『何?』
直子「こんな事 一生に一回しか 言わへんけどな。 ちっこい頃から うちの目の前には いっつも 姉ちゃんが 走っちゃあった。 いつか 絶対 あいつ 追い抜かしちゃるて ほんで うちも走ってこれた。 その姉ちゃんに 今更 岸和田から 見守られたかてな 迷惑や。 とっとと また うち追い越して 前 走ってくれな困る。」
<…ちゅうて 直子は せっかく 一生に一回の伝言を頼んだのに あいにく 恵さんの頭には ひと言も入ってませんでした>
小原家
オハラ洋装店
糸子「こんで全部です。」
刑事「全部ですね?」
糸子「全部です。」
松田「ほな 直ちゃん またな。 あの こっちの事は 何も 心配せんで ええよってな。 な! えっ? いやいや 何もない。 何もないさかい。」
刑事「ほな また連絡するかも しれませんけども。」
糸子「ご苦労さんでした。」
昌子「先生!」
松田「先生! 今度は また 何したんですか!」
糸子「何もしてへん。」
昌子「本当の事 言うて下さい!」
糸子「何もしてへんて!」
松田「何か差し押さえられるんですか?」
昌子「ミシン 取られるんですか?」
糸子「取られへんわ! 戦争中やあるまいし。」
昌子「けど!」
糸子「うちは! 天に誓うて 何も 後ろ暗い事なんか してへん。 余計な心配せんでええ。」