「お疲れさまでした~!」
「お疲れさまでした!」
糸子「頑張ってや。」
相川「小原先生。」
糸子「な… 何ですか?」
相川「今更ですけど。 モデルを1人 追加してもらえませんか。 今 最後に出てった患者です。」
糸子「気になってました。」
相川「書いてあるとおり 末期のがんです。 残念ながら 今の医療技術では まあ そない先ありません。 せやけど ここだけの話…。 そない言うてる 今の医学かて なんぼのもんかは知りません。」
糸子「はあ?」
相川「いや 正直 知れてます。 ま もちろん 毎日 現場に立って その場その場で やれるだけの事を やってはいてます。 けど やればやるほど つくづく 知れてんな と思いますわ。」
相川「そもそも 人間の病気には ほんまに 医学しかないんか。 ま とりあえず ない事にして うちらは 必死で 患者を 治療に専念させてる訳ですけど ほんまのところは どうか知りません。 医学の他にかて もしかしたら あるんかもしれん。 ま ないかもしれませんけど。」
糸子「まあ…。 服かて知れてます。 力は信じたいし 信じてる。 けど おっしゃるとおり やればやるほど 知れてるちゅう事も 毎度 突きつけられます。 ほんでも…。 ご縁をもろたんや。 おおきに。」
相川「よろしくお願いします。」
談話室
加奈子「失礼します。」
糸子「吉沢加奈子さん?」
加奈子「はい。」
糸子「どうぞどうぞ 入って。」
加奈子「失礼します。」
糸子「お宅 いっつも デイルームの隅っこ 座って 見てたやろ。」
加奈子「はい。」