連続テレビ小説「カーネーション」第22回「誇り」【第4週】

根岸「恐れ入ります。 今月いっぱいで 心斎橋の教室を 一旦 終えて 来月から また 東京で教える事のなったの。」

糸子「東京 帰ってまうんですか?」

根岸「ええ。」

糸子「そうですか…。」

根岸「でも 東京に帰る前に 会社から 1週間ほど 休みをもらいました。」

糸子「はあ…。」

根岸「その1週間で 私は ここに お世話になって あなたに 洋裁を教えます。」

糸子「はあ?!」

根岸「代わりに 私は お父様から 謡を教えて頂くの。」

糸子「え? 何で… 何で そんな事に…?」

根岸「細かい事は お話しできません。 それが お父様とのお約束なの。」

糸子「そんなん うち… うち… ほんま 頑張ります! おおきに! 手加減せんといて下さい。 先生 うちの事 しごきまくって下さい! うち 何が何でも ついていきますよって! おおきに!」

台所

<さあ それからが大忙しでした。 根岸先生の口に合うもんを 作らんならんよって お母ちゃんは 八重子さんに 洋食を教えてもらいました>

ハル「あ~あ 豚なんか 油で揚げて。 気色悪!」

玄関前

<先生を うちのオンボロ布団に 寝かせる訳にはいかんよって 布団屋に 打ち直ししてもらいに 行きました>

居間

糸子「おばあちゃん。」

ハル「はあ?」

糸子「ひょっとして この布団 使た?」

ハル「使たよ。」

糸子「何すんよ?! せっかく 打ち直してもろたとこやのに!」

ハル「うちの布団で うちが寝て 何が悪い。」

糸子「もう!」

<おばあちゃんだけが 何や知らん へそ曲げっぱなしなんが かなんけど>

玄関前

<そいでも ほんまに楽しみに うちらは その日ぃを待ちました>

糸子「あ… 来た…!」

<この格好ええ女の人は 今日から うちに 洋裁を 教えてくれる先生なんやで。 うちは 商店街中に叫びたい 気持ちで いっぱいでした>

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