連続テレビ小説「カーネーション」第66回「切なる願い」【第11週】

台所

ハル「善作や。」

糸子「お父ちゃん?」

ハル「うん 間違いない。 善作の字ぃや。」

糸子「え…? お父ちゃん… いつの間に こんなん 書いたんや?」

オハラ洋装店

糸子「オハラ洋装店 店主 小原糸子。」

<うちは 何や 初めて お父ちゃんに 認めてもうたような 気がしました>

(戸をたたく音)

『小原さん 電報です!』

糸子「はい!」

玄関

「はい 電報です。」

糸子「ご苦労さんです。」

「失礼します。」

<落ち着け…。 まず どうする?『スグ コイ』ちゅうんやから 朝一番の電車で…>

糸子「せや… 旅館の住所 聞いとこ…。」

玄関前

糸子「おばちゃん?」

美代「ああ…。 そや… あれ?」

糸子「何や?」

美代「そうや 小原さん 今 温泉 行ってんのに 何でや? うち 今 しゃべっちゃあったわ。」

糸子「何て?」

美代「は?」

糸子「お父ちゃん 何て言うたん?」

美代「『糸子を よろしゅう頼む』て…。」

糸子「待って… お父ちゃん。 待って 行かんといて お父ちゃん!」

糸子「待って… 待って…。 行かんといて… 待って! 行かんといて! お父ちゃん! 待って お父ちゃん! お父ちゃん 待って~!」

<昭和18年4月27日。 享年 59でした>

(泣き声)

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク