玄関前
糸子「外で 遊んできい! 外や 外や ほれ! ほれほれ~!」
「嫌や!」
糸子「5時までには 帰ってくるんやで!」
2人「べえ~っだ!」
糸子「ほんまに…。」
糸子「あの~…。」
「あ ここは 小原勝さんのお宅ですか?」
糸子「はい。」
「はじめまして。 わし 勝さんと 同じ部隊に おった者です。」
糸子「は… ご苦労さんです。」
「あ…。」
居間
「繁盛されとって 何よりですわ。 あいつ 店の事 よう心配して 言うてたさかい。」
糸子「主人とは どこで?」
「最後の湖南省です 大陸の。」
糸子「はあ そうでしたか… お世話になりました。」
「ああ ええ… ええ奴でした。 最後の最後まで… フフッ のんきで。」
糸子「はあ? のんき?」
「ああ いやいや…。 ほんまは あいつなりに つらかったと思うんです。 けど はた目には なんちゅうか どう見ても… う~ん…。」
糸子「ウフッ… 上機嫌?」
「そう! ああ… そうなんです。」
糸子「分かります。 ウフフフ…。」
「あ これを 返しに来ました。 あいつが 一番大事にしてたもんやさかい。」
夜
糸子「しゃあない… 堪忍しちゃら。」
<うちは この写真を やっと 燃やす事が でけました>
糸子「はあ…。」
静子「姉ちゃん? 姉ちゃん!」
糸子「は~い。」