連続テレビ小説「カーネーション」第96回「隠しきれない恋」【第17週】

居間

<うちのバチは まだまだ こっからのようです>

亘「お姉さん 兄の顔 まともに見られますか?」

木之元「勝君だけと ちゃうで。 善ちゃんもやで。」

木岡「あんだけ 曲がった事の 嫌いな男やった。 娘が… しかも 一番信頼しとった糸ちゃんが 人様の旦那を囲うやて…。 草場の陰で 泣いてんで!」

糸子「勝さんにも お父ちゃんにも ほんま 申し訳ないと思てます。 けど…。」

木岡「けど 何や?」

亘「何ですか?」

糸子「2人とも もう 死んでしまいました。」

木之元「いやいや 糸ちゃん。」

木岡「死んだら 関係ないちゅうんけ!」

節子「ちょっと!」

亘「そういう事 ちゃうでしょう!」

木之元「ちょ ちょっと!」

正一「なあ 糸子。」

糸子「はい。」

正一「この店は お前の小さい時からの 夢やったなあ。」

糸子「そうです。」

正一「お前は ほんまに ようやってきた。 たった19で 自分の力で 店 開いて 勝君が亡くなってからも 女手一つで守ってきた。 その店の看板に 何で自分で… 泥 塗るんや?」

糸子「言われてる事は よう分かります。」

正一「分かるやろ お前やったら。」

糸子「けど…。 うちは…。 看板に 泥塗ったとは 思てないんです。」

正一「お前が思てなかってもや。」

木岡「周りが皆 そない思とるんじゃい!」

亘「お姉さんの思い上がりですわ!」

千代「すんません! すんません! すんません!」

美代「周防さんの奥さんの気持ち 考えた事あるか?」

糸子「分かってます。 そらもう ほんまに お申し訳ないと思うてます。」

昌子「先生。 泥塗られてるんは 看板だけやないんです! うちらかて 商店街歩いたら 指さされるんです。 店の事も 先生の事も 今日まで 信用して ついてきたんです! ちゃんと言うて下さい!」

(泣き声)

糸子「せやな。 今日 皆さんに言われた事 うちが犯してる罪の重さは 全く そのとおりやと思うてます。 ご迷惑かけてしもてる事も 傷ついてしもてる事も そのまんま受け止めたいと 思てます。」

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