定一「じゃあから 何なら。」
安子「あの… 私 よう知らんのんじゃけど 稔さんのお父さんの会社て 何を作らりょんですか?」
稔「あ… これ。」
安子「シャツ?」
稔「学生服。 詰め襟とか セーラー服もそうじゃ。」
安子「そうなんですね。 へえ~ すてき。」
稔「僕は いつか雉真の製品を 欧米と取り引きできるように したいんじゃ。 そのためにも 英語は勉強しとかにゃあ。」
健一「はい お待たせ。」
安子「あ…。 ありがとうございます。」
稔「ありがとう。 May I put sugar in your coffee?」
安子「メイ アイって… あっ 『お砂糖を入れてもいいですか?』。」
稔「正解。」
安子「あっ フフフッ。 あっ はい。 あ… イエス。 フフフッ。」
安子「おいしい…。」
稔「よかった。 安子ちゃんは?」
安子「えっ?」
稔「安子ちゃんの夢は? 何かあるん?」
安子「夢ですか?」
稔「うん。」
安子「私の夢は…。 あっ 今は 自転車に乗れるようになることです。」
稔「ハハッ そうか。」
♬~(レコード)
♬『Grab your coat, grab your hat baby Leave your worries on the doorstep just direct your feet On the sunny side of the street』
稔「『Louis Armstrong 「On the sunny Side of the Street」』. 『ひなたの道を』ってことかな…。」
♬『Life can be so sweet』
<ささやかな 甘い夢が 安子の中に芽生えようとしていました。 A sweet little dream was slowly blossoming in Yasuko‘s heart>