連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第52話「1962-1963」【第11週】

洋服店・ダグラス

るい「何を吹くんですか?」

錠一郎「『サニーサイド』。」

るい「じゃあ どうします? 『サニーサイド』に合わせて 衣装 選びますか? あっ でも それより 大月さんに似合う方がいいですもんね。 あ… これなんか どうですか?」

錠一郎「サッチモちゃん。」

るい「私 初めの頃 この人 何なんやろと思てました。 ほら お店に 袋いっぱいに洗濯物持ってきて。 やけにシックなのやら 派手なのやら いろんな服が入ってて。 どういう生活してる人なんやろって。 まさか トランぺッターやなんて 想像もつきませんでした。 けど いろいろ思い起こしてみたら なるほどって。 あっ これもええなあ。」

錠一郎「サッチモちゃん。」

るい「こんな派手な衣装着て ステージで演奏するなんて そんな職業があるんやなあって。 これ 着てみてください。」

るい「楽しかったです。 大月さんと出会って。 ジャズに出会って。 きっと優勝できます。 大月さんやったら きっと銀座のステージでも成功します。 レコードだって売れます。 大月さんの演奏は 海を越えて…。 そうや ルイ・アームストロングだって 大月さんのトランペット聴いて びっくりするわ。」

るい「そしたら 私 自慢します。 私… フッ… 大月錠一郎の演奏 生で聴いたことあんねんでって。 大月さんの衣装 洗濯してたんやでって。 ハハッ ちょっと派手すぎですね。 もっとシックな方がいいですね。 探してきます。」

錠一郎「サッチモちゃん。」

るい「これも あかんなあ。」

錠一郎「何であかんの?」

るい「そやから 派手すぎますって。」

錠一郎「何で 僕じゃ あかんの。」

るい「私 東京なんか行きたくないんです。」

錠一郎「何で?」

るい「遠いから。」

錠一郎「もうすぐ 夢の超特急 出来るやんか。」

るい「おじさんとおばさんとも離れたくない。」

錠一郎「僕とは離れてもええの?」

るい「クリーニング屋の仕事も辞めたくない。」

錠一郎「僕のシャツ洗ってほしい。」

るい「嫌やわ。 毎日毎日 ケチャップのついたシャツ。」

錠一郎「もうホットドック食べるのやめるよ。」

るい「うそばっかり。」

錠一郎「うそばっかりは サッチモちゃんやん。 僕のこと…。」

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