竹村家
竹村クリーニング店
平助「はい はい はい。 そうそう そうそう。 そうや。 うん そや。 フフッ。 そしたら戻って…。」
るい「はい。」
平助「はい。 一回 置こうか。」
るい「はい。」
平助「そしたら それをな こっち…。 うん。 はい。 そう そう そう そう。 はい。 せや。せや せや せや。 うん うん うん うん うん。」
ジャズ喫茶・Night and Day
ホール
「蜂蜜がね 喉には よう効くらしいんですわ。」
<錠一郎の病気を知った ミュージシャンたちは 医者や医療法を求めて走り回っては 木暮に報告しました。 しかし トランペットを吹くことだけが できないという奇病に 有効な情報は 一向に見つかりませんでした>
旅館・月浜
トミー「よさそうな医者を見つけたんや。 来週の予約が取れた。 ちょっと遠いけどな。 俺の自動車で連れてったる。」
錠一郎「ありがとう。」
トミー「ドライブがてらや。」
錠一郎「トミー。 ササプロに誘われてるんやろ?」
トミー「ああ…。 けど 誰が行くか。」
錠一郎「行ってよ。 僕は見たいよ。 東京で… 世界で活躍してるトミーを。」
トミー「サッチモちゃんか? 食べたれよ。」
錠一郎「食べられへんよ。 食べられへん。」
翌日
るい「お洗濯物 ここに置いておきますね。 ケチャップついてへんから すぐ終わりました。 ちょっと残念やった。 久しぶりに ケチャップのついたジョーさんのシャツ 洗える思うてたから。」
錠一郎「何で分からんの? もう来てほしないんや。 洗濯も 弁当も いらんのや。」
るい「言うたでしょ。 私は一緒に泣きたいの。 一緒に苦しみたいの。」
錠一郎「できひんよ。 そんなこと できるわけない。 君に 僕の苦しみなんか 分かるわけないやんか。」
るい「分かるよ。」
錠一郎「軽々しく言うな!」
るい「あっ!」
錠一郎「軽々しく言うな! はあ はあ… 僕はもう 半年苦しんだ。 お願いや… もう解放してくれ。」