夜
安子「あっ 煎餅じゃ。」
稔「あれ 安子ちゃん 髪飾り つけとらなんだ?」
安子「えっ? あっ…。」
稔「捜してくるよ。 ここにおって。 すぐに戻るから。」
勇「あんこ。」
安子「あっ 勇ちゃん。 どねんしたん? 誰かと一緒?」
勇「兄さんは いずれ雉真の社長になる人じゃあ。 あんころ屋の女なんか 釣り合うもんか!」
稔「安子ちゃん あったよ。 さっきの射的の所に落ちとった。」
安子「稔さん。 夏の間 いろいろと ありがとうございました。 楽しかったです。」
稔「どないしたん 急に。 まだ自転車も 乗れるようになっとらんのに。」
安子「もう… やめにします。」
稔「えっ?」
安子「自転車なんか… 乗れなんでもええ!」
稔「安子ちゃん? 安子ちゃん? 安子ちゃん!?」
橘家
寝室
<目覚ましは かけなかったのに いつのの時間に目が覚めてしまいました>
居間
ラジオ・ハリス『I hope they serve you well』
ラジオ・ピンダー『I know they oill』.
ラジオ・ハリス『why?』.
ラジオ・ピンダー『Because I know how to take care of them』.
安子「(すすり泣き)」
ひさ「もう 14なんじゃ。 泣きてえこともあろうえ。」
旭川
(自転車のベル)
橘家
お菓子司・たちばな
<稔と会わないまま 夏が終わろうとしていました>
(足音)
安子「いらっしゃいませ…。」
勇「大福 1つ。」
安子「はい。」
勇「悪かったな こねえだ。 言い過ぎた。」
安子「本当のことじゃから。」
勇「兄さん 明日 朝一番の汽車で 大阪へ帰るそうじゃ。 もう夏休みは しまいじゃあ。」
居間
ラジオ・ハリス『今日は 今月学んだことの復習をいたします』。
ラジオ・ピンダー『Oh』
安子「オウ。 メイ アイ ストップ バイ ザッ リトゥー キョウリオ ショップ?」
回想
稔「きゅうり? これ キュウリじゃのうて キュウリオ。」
回想終了
(ラジオ)
稔「よかったら 僕が教えたぎょうか。」
安子「えっ…。」
稔「前見て 前。 お~ その調子!」
回想終了