連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第5話「1925―1939」

橘家

お菓子司・たちばな

安子「ただいま帰りました!」

きぬ「お帰り。」

安子「あっ きぬちゃんが お店番してくりょうったん。」

きぬ「うん。おばあちゃん 講談の時間じゃから 代わって言うて。」

安子「あ~ ごめんね 私が遅うなったから…。」

稔「すんません 僕が時間に気が付かなんで。」

安子「雉真 稔さん。 ほら 勇ちゃんのお兄さん。」

きぬ「ええっ!?」

安子「フフフッ お豆腐屋のきぬちゃん。」

稔「あっ こんにちは。」

きぬ「こんにちは。」

安子「自転車の乗り方 教わりょうったんじゃ。」

きぬ「へえ~。」

安子「ついでに 家に お土産を買いに寄ってくれたんじゃ。」

稔「あっ そうじゃった…。」

きぬ「へえ~。」

安子「どうぞ 特訓のお礼です。」

稔「それじゃあ 遠慮なく頂きます。 ん~ うまい! やっぱり たちばなのあんこは 絶品じゃあ。」

安子「フフフ… 私 うちのお菓子が大好き。 しゃあけど お菓子ゅう食びょうる人の顔を見るんは もっと好きです。 甘うて おいしいお菓子を 怖え顔して食べる人はおらんでしょう。 怒りょっても くたびれとっても 悩みょうっても 自然と明るい顔になる それが うれしいんです。」

稔「フフッ。」

安子「フフフッ。」

きぬ「安子ちゃん。」

安子「うん?」

きぬ「朝丘神社の夏祭りなあ あれ 行けんようになったわ。」

安子「えっ?」

きぬ「うん。 あの 悪いけど 一人で行って。」

安子「何で? 毎年 一緒に行きょうるがん。」

きぬ「ごめんな。 用事できたんじゃ。」

安子「何? 用事って。 きぬちゃん なあ!」

稔「一緒に行こうか? 僕でよかったら。」

雉真家

台所

勇「ただいま。」

「お帰りなさいませ。」

美都里「お帰り。 まあ そねん泥だらけで お台所に入られな。」

勇「腹が減ったよ。 夕飯まで待てん。」

美都里「そこのおまんじゅうでも食べとかれ。」

勇「おう。」

美都里「稔が買うてきてくれたんよ。」

商店街

<夏祭の日が来ました>

♬~(歌声)

菊井「おおっ。 ぎゃ~。」

♬~(歌声)

清子「あなた。 もう…。」

♬~(歌声)

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