電車
ひなた「(心の声)『榊原さん ええ人やなあ。』」
車内アナウンス『次は 北野白梅町 北野白梅町です』。
大月家
回転焼き屋・大月
ひなた「ただいま。」
るい「お帰り。」
ひなた「五十嵐! なっ 何しに来たん。 何の用や。」
五十嵐「回転焼き買いに来たに決まってんだろ。」
ひなた「えっ?」
るい「はい 熱々1つ お待ち遠さん。」
五十嵐「はい。」
るい「おおきに。 熱いから気ぃ付けて。」
五十嵐「はい。 ありがとうございます。」
ひなた「いや ちょっと! ちょっと。 ちょっと。」
五十嵐「何だ?」
ひなた「こないだ見たで。 『破天荒将軍』のスタジオの隅にいてたん。 偉そうなこと言うて 下っ端中の下っ端やん。 斬られ役にも なられへんくせして はかま つけたまま寝転がったり のんきに回転焼き買うてみたり。 アラカンの五十倍が聞いてあきれるわ。」
五十嵐「明日 第1スタジオに来い。」
ひなた「えっ。 第1スタジオいうたら…。」
俳優会館
第1スタジオ
畑野「はい ご紹介します! 珠姫役 美咲すみれさんです!」
(拍手)
すみれ「また古巣の条映に帰ってこられて とっても うれしいです。 どうぞ よろしくお願いいたします。」
轟「はい よろしく。」
畑野「ほな 各部 テスト準備!」
一同「はい!」
「照明通りま~す。」
「はい。」
「はい 照明通るよ。」
「こちらも通ります。」
ひなた「(心の声)『えっ… あいつ 出番あんの? それも あんな立派な侍の扮装で…。 どういうこと…?』」