連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第7話「1939-1941」【第二週】

健一「しゃあけど 御菓子司 たちばなって 安子ちゃん もしかして 橘 算太って…。」

安子「兄です。」

健一「はあ い~やっ 似とらんなあ!」

安子「知っとられるんですか?」

健一「小学校の2級上じゃった。」

安子「何か ご迷惑おかけしたんじゃ…。」

健一「いや… 直接ってわけじゃ…。」

安子「すんません。」

健一「ああ えんじゃ えんじゃ。」

安子「あっ どうも。」

定一「安子ちゃん 一人娘じゃねんじゃあ。」

安子「はい。」

定一「よかったな。」

安子「よかった?」

定一「うん。 稔のお嫁さんになれるがん。」

安子「そ そ… そんな おつきあいじゃあ…!」

定一「しゃあけど 初めてじゃったで。 稔が こけえ おなごん子 連れてきたんは。 のう?」

健一「うん。」

安子「えっ…。」

(笑い声)

橘家

玄関前

丹原「黒鉄さん! 映画館にはおらなんだです。」

菊井「パチンコ屋でも 見たという人はおりません。」

黒鉄「もう 町ゅう 出てしもうたんかもしれん。 わしゃ 駅へ行く。 おめえらは バス停と隣町も見てけえ。」

丹原 菊井「はい。」

お菓子司・たちばな

田中「因果な息子さん持ったもんでんなあ。 わしは 金さえ返してもろたら そんで よろしおきますけど。 あっちこっちで いろんな人が泣き寝入りしてはりまっせ。 ダンスホールの支配人も 前払いした給料 踏み倒されたいうし。 さんざん貢いだのに 黙って姿消した言うて 泣いてるおなごも 1人や2人やおまへんで。 食うた 食うた。 熱~いお茶が怖い。 ほな これは確かに。」

金太「ちょっとでも あいつが菓子ゅう作る気になったと思うた わしが あほうじゃった! 二度と あいつにゃあ この家の敷居は またがせん。」

小しず「金太さん…。」

金太「ええのお! 算太は もう… 橘の人間じゃねえ。」

<算太は再び たちばなから姿を消しました>

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