河原
安子「わあ… 本当に似とるなあ 旭川に。」
稔「そうじゃろ。」
安子「あっ 本当じゃあ。 潮の香りがする。 It smells like the ocean.」
稔「おっ!」
安子「フフフッ 『基礎英語講座』で覚えました。」
稔「本当に毎日 聴きょうるんじゃな。 日が暮れたら寒いよ。 Sunset. A beautiful sunset. Do you see that beautiful sunset?」
安子「Yes, I do. I see a beautiful sunset over the river.」
駅
稔「じゃあ 気を付けて帰ってね。」
安子「あっ…。」
稔「ああ 着ていって。 それじゃあ またね。」
安子「はい。 ありがとうございました。」
列車
(汽笛)
(汽車の走行音)
安子「(すすり泣き)」
駅員「岡山 岡山。」
安子「(すすり泣き) すんません すぐ降ります。」
安子「何で…?」
稔「そねん 小せえ かばん一つで 配達もねえじゃろう。 何で泣いてるん? 安子ちゃん。 何があったん?」
安子「(泣き声)」