ミワ宅
<聞きたい… 何で あんなことをしたのか>
(着信)
ミワ「もしもし?」
八海『八海です。』
ミワ「えっ…!?」
<それは 神の声だった>
八海『もしもし?』
<今まで映画の中で何万回 何億回と 繰り返し聴いてきた神の声が 私のスマホから聞こえてくる>
八海『もしもし?』
ミワ「はい。」
八海『昼間は 話しの途中で失礼しました。』
ミワ「いや こちらこそ あんな…。」
八海『確認したいんですが あの手紙は ミワさんが書いたものですか?』
ミワ「え…。」
八海『ちょっと 違和感を覚えたので。』
<ここで 本当のことを言ってどうする? さくらさんに罪をなすりつけて なりすましの事実を全部バラす? そんなこと できるはずがない>
ミワ「私が… 書きました。」
八海『そう… ですか。 この電話もするべきか迷いました。 私にも立場がありますので。』
ミワ「はい…。」
八海『場所を考えて頂けませんか。』
<神は言った。 立場をわきまえよ と>
ミワ「ですよね。 本当に… 申し訳ございません。」
八海『えっ 何で謝るんですか?』
ミワ「え?」
八海『え? あ… いや 言葉足らずでしたか。 映画の話をする場所を考えて頂けませんか っていうことなんですけど。』
ミワ「えっ…。」
八海『前に約束というか お話ししましたよね。』
ミワ「あ…。」
回想
八海「次は ゆっくり 映画の話 しましょうね。」
回想終了
八海『家の中でプライベートな話をすると ミワさんのお仕事の邪魔になりますし 電話でお誘いするのも どうかと思ったんですが せっかく電話番号を頂いていたので。 どこか都合のいい場所はありませんか? やはり 私が適当に決めましょう。』
<あまりの出来事に このあとの会話はよく覚えていない>
ミワ「うわあ~!」
<おぼろげな記憶を頼りに 内容を整理すると つまり私は… 私 久保田ミワは 八海 崇と プライベートで会うことになった!>
ミワ「うう~っ!」
(壁を蹴る音)
隣人『静かにしてもらえませんか。』
ミワ「すいません。」
<ダメだ これじゃ 八海サマの隣に立てない>
<いや 新入社員か>
<結婚式か>
<漫画家みたいになったけど… いいか これで!>