夜ドラ「ミワさんなりすます」(第11回)

ミワ宅

<聞きたい… 何で あんなことをしたのか>

(着信)

ミワ「もしもし?」

八海『八海です。』

ミワ「えっ…!?」

<それは 神の声だった>

八海『もしもし?』

<今まで映画の中で何万回 何億回と 繰り返し聴いてきた神の声が 私のスマホから聞こえてくる>

八海『もしもし?』

ミワ「はい。」

八海『昼間は 話しの途中で失礼しました。』

ミワ「いや こちらこそ あんな…。」

八海『確認したいんですが あの手紙は ミワさんが書いたものですか?』

ミワ「え…。」

八海『ちょっと 違和感を覚えたので。』

<ここで 本当のことを言ってどうする? さくらさんに罪をなすりつけて なりすましの事実を全部バラす? そんなこと できるはずがない>

ミワ「私が… 書きました。」

八海『そう… ですか。 この電話もするべきか迷いました。 私にも立場がありますので。』

ミワ「はい…。」

八海『場所を考えて頂けませんか。』

<神は言った。 立場をわきまえよ と>

ミワ「ですよね。 本当に… 申し訳ございません。」

八海『えっ 何で謝るんですか?』

ミワ「え?」

八海『え? あ… いや 言葉足らずでしたか。 映画の話をする場所を考えて頂けませんか っていうことなんですけど。』

ミワ「えっ…。」

八海『前に約束というか お話ししましたよね。』

ミワ「あ…。」

回想

八海「次は ゆっくり 映画の話 しましょうね。」

回想終了

八海『家の中でプライベートな話をすると ミワさんのお仕事の邪魔になりますし 電話でお誘いするのも どうかと思ったんですが せっかく電話番号を頂いていたので。 どこか都合のいい場所はありませんか? やはり 私が適当に決めましょう。』

<あまりの出来事に このあとの会話はよく覚えていない>

ミワ「うわあ~!」

<おぼろげな記憶を頼りに 内容を整理すると つまり私は… 私 久保田ミワは 八海 崇と プライベートで会うことになった!>

ミワ「うう~っ!」

(壁を蹴る音)

隣人『静かにしてもらえませんか。』

ミワ「すいません。」

<ダメだ これじゃ 八海サマの隣に立てない>

<いや 新入社員か>

<結婚式か>

<漫画家みたいになったけど… いいか これで!>

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