<11時50分 八海サマ1回目の休憩時間>
<よし 今だ>
ミワ「八海さ…。」
<撮影か!>
八海「どうかなさいましたか?」
ミワ「あっ いえ 紅茶を…。」
八海「まだありますから 大丈夫です。」
ミワ「すいません 失礼しました。 すいません…。」
寝室
一駒「いっつも思うんだけど いくらロケが長いからって こんなにシャツ持っていく必要あるのかしら。」
池月「パーティーが多いですからね。」
一駒「まあね。 ぬか床やトレーニングマシンを包めって 言われるよりもマシかな。」
ミワ「痛っ。」
一駒「ミワさん?」
ミワ「すいません。」
リビング
ミワ「失礼します。」
「クランクインが12日となっております。 当初の予定よりも 2日 後ろ倒しになりまして 空いた時間で イタリア語やアクションの…。」
<もうすぐ14時。 この打ち合わせが終わったら 休憩に入るはず…>
藤浦「ミワさん。」
ミワ「は… はい。」
藤浦「あの 買い物をお願いできるかしら。」
ミワ「あっ はい…。」
藤浦「急ぎでお願い。」
ミワ「はい。」
藤浦「失礼しました。」
寝室
池月「これでよし と。」
一駒「あっ あと10分。 じゃあ 片づけしちゃいましょ。」
<結局 この時間まで渡せなかった。 海外ロケに出かける直前に こんな一介の家政婦の話なんて 迷惑でしかないけど…。 でも言うなら今しかない。 16時50分。 八海サマが打ち合わせを終える時間。 これから10分がラストチャンス>
池月「あれ? この部屋の時計 止まってない?」
ミワ「えっ…。」
一駒「やだ。」
池月「八海さん もう出発する時間です。」
ミワ「ホントだ。」
池月「スーツケース 外に運びましょう!」
ミワ「あ… はい!」
<ええっ ウソでしょ~!>