園庭
藤浦「早く 急いで下さい。 ちょっとミワさん! ミワさんの荷物 一番奥に入れなきゃいけないんだから。 急いで。」
ミワ「ああ…!」
池月「せ~の。」
リビング
(ノック)
ミワ「失礼します。 いない。」
<八海サマ… どこ?>
書斎
(ノック)
ミワ「失礼します。」
<何でだろう… 八海サマがいないことに ホッとしている自分がいる>
八海「ミワさん?」
ミワ「八海さん…。」
<今だ… 今 全てを打ち明けるしかない>
八海「ミワさん ちょっと長い留守になりますが よろしくお願いします。」
ミワ「あの… 八海さん。」
<これで 全部終わりなんだ…>
八海「はい。」
<これで>
ミワ「あの…。 これを… 読んで頂けませんか。」
八海「ミワさんの口から 聞かせてもらえませんか。」
ミワ「え…?」
八海「何か そのほうがいい気がして。 お願いします。」
ミワ「私は…。 私は… 美羽さくらではありません。 久保田ミワといいます。 今まで 家政婦になりすましていました。」
八海「…そうなんですか。」
ミワ「語学のスキルも 栄養士の免許も 何も持ってない ただの映画オタクです。 ここの家政婦になるはずだった 美羽さくらさんが事故に遭ってしまって それを見て 代わりに なりすますことを 思いつきました。」
ミワ「八海さんのそばで働くのが 夢のようで 楽しくて 引き返すことができませんでした。 本当に 申し訳ございませんでした。」