ミワ宅
さくら「えっ!? や… 八海サマが失踪? 警察は?」
ミワ「ううん まだ。 今 いろいろ調べてるところ。」
さくら「調べるって何を?」
ミワ「八海サマが何か悩んでたのかとか トラブルに巻き込まれたのかとか SNSで何かあったとか。 あっ そうだ 紀土くんに連絡しなきゃ ん~ でも…。」
さくら「紀土って あの紀土?」
ミワ「一応 ITの専門家らしいんだけど… やめとこっか。」
さくら「いや しなよ 早く! 背に腹は代えられないでしょ? ほら 早く!」
ミワ「でも 紀土くんは…。」
さくら「八海サマ! 紀土より八海!」
ミワ「紀土より八海…」
さくら「紀土より?」
ミワ「紀土より 八海…。」
さくら「紀土より?」
八海邸
書斎
<八海サマ 一体どこに…>
(ノック)
池月「失礼します。 どうぞ。 SNSに詳しい方がいらっしゃいました。」
ミワ「えっ!?」
紀土「どうも 満天コンサルティングの紀土です。」
藤浦「頂戴いたします。」
さくら「アシスタントの志田あすかです。」
藤浦「よろしくお願いいたします。」
<いや 何で さくらさんまで!>
紀土「ここが八海さんのお部屋ですか。 なるほど。」
さくら「(小声)や… やっば!」
ミワ「あ… あの すいません 控え室にご案内します。 (小声で)ちょ… ドンタッチ! 控え室にご案内いたします。 どうぞ。」
さくら「失礼いたしいます。」
ミワ「どうぞ。
控え室
ミワ「(小声で)紀土くんも早く! ちょっと! 何で さくらさんまで!」
さくら「道で ばったり紀土くんに会ってさ。」
紀土「どうしても アシスタントってことに してくれって。」
さくら「どう? ITコンサルタント 志田あすかです。」
ミワ「今 ふざけてる場合じゃないですから! あっ ちょっと 開けないで。」
紀土「それにしても このお屋敷 想像の何倍もでかいな。」
さくら「ホント ヤバいよね。 ねえ ねえ ねえ 後でさ 書庫に連れてってよ。 久保田さんと八海サマが 閉じ込められたっていう!」
ミワ「そんな 聖地巡礼みたいに言わないで下さい。」
さくら「は~い。」
紀土「で 何を調べたい?」
ミワ「八海さん 何かネットがらみで トラブルとか なかったのかなって。」
紀土「まあ 俺のスマホから ざっと見た感じだと 過激な誹謗中傷はなかったけどね。」
さくら「でも 八海サマに直接攻撃してる人が いるかもよ?」
紀土「ああ…。」
(指を鳴らす音)
紀土「ダイレクトメッセージとかね。」
リビング
藤浦「これが 八海スタッフのアカウントです。」
紀土「…なるほど。 このアカウントを使っているのは 八海さんと藤浦さんのお二人だけですね?」
藤浦「そうです。」
紀土「スマホを見た感じだと 誹謗中傷はなかったんですが 八海さんがブロックしている アカウントを見てみましょうか。」
藤浦「お願いします。」
池月「さすがITのプロ 手際がいいですね。」
一駒「ホントね。」
紀土「ブロックリストは と…。 (小声で)俺じゃん…。」
藤浦「ん?」
ミワ「何か分かった?」
紀土「あっ いや。 特にSNSは問題なさそうですね。 うん ねっ。」
さくら「あっ そうですね。」
藤浦「はあ… SNSは問題なし。」