八海邸
リビング
ミワ「こういうのを考えてみたんですけど…。」
藤浦「『私は今 ユートピアを目指して旅に出ています。 さて どこにいるでしょうか? 私を実際に見かけた方の中から 抽選で一組を 映画「3分間のユートピア」 完成披露試写会にご招待します!』。」
ミワ「どう… ですか?」
池月「確かに 映画のプロモーションに見えますね。」
一駒「トレビアン!」
藤浦「いいじゃない ミワさん。」
ミワ「よかった。」
藤浦「投稿しましょう。」
ミワ「はい。 はい 投稿しました。」
藤浦「何か 反応があるといいんだけど。」
病院
田村「あの~。 あっ。」
斉藤「あっ 全然違うじゃないのよ もう!」
岸部「あら…。」
八海「どうかされましたか?」
田村「いや この子がね 絶対あれ 八海 崇よって言うから。 ごめんなさいね。」
斉藤「あんな大スターが こんなところに いるわけないじゃないのよ。」
岸部「だけど 何か雰囲気が似てる気がしたから。」
田村「知ってます? 八海 崇って。」
八海「え… ええ 少し。」
斉藤「あっ 確かに声の感じは似てるけど。」
岸部「でしょ?」
斉藤「でも 目が違うわ。」
田村「ねっ 目が全然違う。」
岸部「ああ もっとキリッとしてるか。」
2人「そうそうそう。」
斉藤「もっと男前だもん。」
岸部「ごめんなさい 私 八海さんの大ファンだから 本物を見つけたら応募しようと思って。」
八海「応募? 何にですか?」
岸部「映画の試写会。 でも 早とちりだったみたい。 ごめんなさい。」斉藤「行きましょ。」
田村「あれ 絶対 横山さんの下の息子よ。」
八海「ミワさん…。」
ミワ宅
さくら「紀土くんの実家 ブドウも作ってるんだって。」
ミワ「そうなんだ… 知らなかったです。」
さくら「もうちょっと 紀土くんのこと興味持ってあげたら?」
ミワ「え?」
さくら「まあ いっか 紀土の話は。」
ミワ「はい。」
さくら「それより これさ いいね。 映画のプロモーションに 見えなくもないし 失踪のうわさも同時に打ち消せる いい作戦だと思う。」
ミワ「よかった…。」
さくら「でも 今のところは まだ何の情報もないね。 まあ 実際 まだ誰も八海サマを 目撃してないってことだと思うけど。」
ミワ「はい…。」
さくら「周りに誰もいないのかな…。」
ミワ「えっ えっ えっ えっ…!?」
さくら「何!?」
ミワ「見て! 八海サマがコメントしてる!」
さくら「キャー! ホントだ! ええっ どうしよう! ああ よかった…。」
<神は… 生きていた>