八海邸
リビング
藤浦「えっ 白鷹山に行ってきたの?」
池月「しかも日帰りで!?」
ミワ「はい… もしかして 地元に帰られたのかもと思って。 でも お会いできませんでした。」
藤浦「それは ご苦労だったわね。」
池月「そのうち戻られるんじゃないですか?」
藤浦「いや すぐには帰ってこないと思う。」
池月「えっ。」
藤浦「仕事先に いくつか謝罪の連絡を入れたんだけど 八海から既に キャンセルの申し出があったみたいで。 しばらく戻らないつもりで 予定を整理したんだと思う。」
ミワ「そうなんですか…。」
藤浦「まあ 無事でいてくれたらいいんだけどね。」
(ドアの開く音)
一駒「藤浦さん 大変! 表にマスコミがたくさん来てます。」
藤浦「えっ!? えっ 何で!?」
一駒「失踪の件が どうも インターネットに出てるみたいで。」
ミワ「えっ!?」
藤浦「ええっ…。」
正門
マスコミ「八海さんの失踪のことについて お話 聞きたいんですけど。」
マスコミ「ネットに拡散されてる失踪事件というのは 本当のことなんですか?」
リビング
池月「ああ 出ちゃってますね。 『俳優・八海 崇が失踪 仕事をドタキャン!? 引退宣言から数日後の失踪劇 安否が心配される』。 うわ~ こんなこと 誰が流したんだろう…。」
一駒「ご主人様がいなくなったことって 私たち以外に誰が知ってんのかしら?」
ミワ「そうですね 一緒に相談に乗ってもらった 越乃さんと…。」
一駒「あと あの人たちか。」
回想
紀土「満天コンサルティングの紀土です。」
(指を鳴らす音)
回想終了
ミワ「…紀土くん。」
ミワ宅
(チャイム)
紀土「…さくらさん。」
さくら「久保田さん 今日は夜までお仕事だよ。」
紀土「…そっか。」
さくら「何 それ。」