さくら「カンパ~イ。」
ミワ「乾杯…。」
<犯罪者と被害者 敗者と成功者 本来は 決して相いれるはずのない 私たちが…>
<オタクとは因果なもの>
さくら「やっぱ買うよね~ ペルム!」
ミワ「はい 4~5箱は常備してるんで 冷凍庫はパンパンです。」
さくら「分かる~! 新しいCM見た?」
ミワ「はい 録画もしてます。」
テレビ・八海『ペルム』。
<推しの話をしている時は 脳内から謎の分泌物が出ているようで 激しい高揚を抑えることができない>
テレビ『このなめらかさ…』。
2人「マーベラス!」
テレビ『マーベラス!』。
<まるで ここは 好きな人を打ち明け合った放課後の教室>
(笑い声)
さくら「…ん?」
ミワ「調子に乗りました… すいません。」
さくら「別に怒ってないよ。」
ミワ「え?」
さくら「だって 怒るとか悲しむとか そんな感情にいちいち振り回されてる時間 無駄じゃない?」
<すごい… 全てにおいて合理的な人>
さくら「で で どうなの? 八海サマと同じ空気を吸引した感想は!? ってか ふだんの八海サマってどうなの? どんな格好で家にいるの? やっぱり スーツ? 案外かわいいパジャマ着てたりするのかな!?」
<でも 八海サマのことになると 途端に感情のスイッチが入る 不思議な人>
ミワ「ふだん そうですね… ボトルシップを作ったり。」
さくら「あっ 知ってる! 最初は役作りの合間に 息抜きで始めたんだけど 今や撮影前に必ず行う ルーティーンになってるってやつでしょ?」
ミワ「はい。 でも その大事なボトルシップを 私 家政婦初日に壊しました。」
さくら「(吹き出す音) ちょっと 何やってんの!? 重罪じゃん!」
ミワ「はい 初日から大失敗で。」
さくら「それ 怒られなかったの?」
ミワ「でも それが…。」
さくら「あっ 待って。 当てる! その時 八海サマが どんなリアクションしたか。 え~っとね…。」
<この人は どんなエピソードも 全力で楽しもうとする。 まさに オタクのかがみ!>
さくら「はい! 分かった。 八海サマは そんなことで怒ったりしないから むしろ 久保田さんを気遣った。」
回想
八海「気にしないで下さい。 また作ればいいんですから。」
回想終了
ミワ「正解です!」
さくら「やった~! さすが八海サマ~! ほかには? ほかに何か事件あった?」
ミワ「事件? 事件 そうですね…。 地下に書庫があるんですけど そこに八海サマと二人で 閉じ込められました。」
さくら「ひえっ! 何それ! や… 八海サマと ふ… 二人で!? やだ それ死ぬじゃん! えっ! どんだけ徳を積んだら そんな世界線に行けるの!?」
<さすがに ハグをされたことまでは言えなかった>