夜ドラ「ミワさんなりすます」(第9回)

さくら「カンパ~イ。」

ミワ「乾杯…。」

<犯罪者と被害者 敗者と成功者 本来は 決して相いれるはずのない 私たちが…>

<オタクとは因果なもの>

さくら「やっぱ買うよね~ ペルム!」

ミワ「はい 4~5箱は常備してるんで 冷凍庫はパンパンです。」

さくら「分かる~! 新しいCM見た?」

ミワ「はい 録画もしてます。」

テレビ・八海『ペルム』。

<推しの話をしている時は 脳内から謎の分泌物が出ているようで 激しい高揚を抑えることができない>

テレビ『このなめらかさ…』。

2人「マーベラス!」

テレビ『マーベラス!』。

<まるで ここは 好きな人を打ち明け合った放課後の教室>

(笑い声)

さくら「…ん?」

ミワ「調子に乗りました… すいません。」

さくら「別に怒ってないよ。」

ミワ「え?」

さくら「だって 怒るとか悲しむとか そんな感情にいちいち振り回されてる時間 無駄じゃない?」

<すごい… 全てにおいて合理的な人>

さくら「で で どうなの? 八海サマと同じ空気を吸引した感想は!? ってか ふだんの八海サマってどうなの? どんな格好で家にいるの? やっぱり スーツ? 案外かわいいパジャマ着てたりするのかな!?」

<でも 八海サマのことになると 途端に感情のスイッチが入る 不思議な人>

ミワ「ふだん そうですね… ボトルシップを作ったり。」

さくら「あっ 知ってる! 最初は役作りの合間に 息抜きで始めたんだけど 今や撮影前に必ず行う ルーティーンになってるってやつでしょ?」

ミワ「はい。 でも その大事なボトルシップを 私 家政婦初日に壊しました。」

さくら「(吹き出す音) ちょっと 何やってんの!? 重罪じゃん!」

ミワ「はい 初日から大失敗で。」

さくら「それ 怒られなかったの?」

ミワ「でも それが…。」

さくら「あっ 待って。 当てる! その時 八海サマが どんなリアクションしたか。 え~っとね…。」

<この人は どんなエピソードも 全力で楽しもうとする。 まさに オタクのかがみ!>

さくら「はい! 分かった。 八海サマは そんなことで怒ったりしないから むしろ 久保田さんを気遣った。」

回想

八海「気にしないで下さい。 また作ればいいんですから。」

回想終了

ミワ「正解です!」

さくら「やった~! さすが八海サマ~! ほかには? ほかに何か事件あった?」

ミワ「事件? 事件 そうですね…。 地下に書庫があるんですけど そこに八海サマと二人で 閉じ込められました。」

さくら「ひえっ! 何それ! や… 八海サマと ふ… 二人で!? やだ それ死ぬじゃん! えっ! どんだけ徳を積んだら そんな世界線に行けるの!?」

<さすがに ハグをされたことまでは言えなかった>

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