連続テレビ小説「なつぞら」第142話「なつよ、この十勝をアニメに」【第24週】

リビング

信哉「それじゃ 家族で会社にいるんだ?」

なつ「そうなの。」

信哉「大変だろうけど いい会社だね。」

坂場「小さいから なんとか やっていけるんです。 経営者も同僚も 気心が知れた人ばかりですから。」

明美「何だか羨ましい。 結婚しても 好きな仕事を続けられる環境って 作るのが 本当に難しそうだもん。 よかったね 優ちゃん。」

優「うん。 優ちゃんも 絵を描いて働いてるの。」

明美「ハハ… そうなんだ。」

なつ「明美ちゃんは? やっぱり 東京の放送局は大変?」

明美「うん… 人の数も 扱うニュースも 全然違うから。 でも 信さんがデスクで助かってる。」

信哉「明美ちゃんは 何だか 本当の妹のように思えてね。」

明美「それは なつ姉ちゃんのおかげだわ。」

信哉「だから 甘やかさずに ビシビシ鍛えなきゃと思ってるんだよ。 早く 一人前の女性ディレクターに なってもらわないとね。」

明美「何だ…。」

なつ「何だじゃないでしょ。 その方が 明美ちゃんのためなんだから。 信さん ビシビシ鍛えてやってね。」

信哉「分かった。」

明美「頑張ります。 あ… なつ姉ちゃんたちは 十勝に行ったんだって?」

なつ「取材。」

坂場「開拓者の話を テレビ漫画にしようとしてるんです。」

信哉「柴田家の話?」

なつ「いや そういうわけじゃないけど… じいちゃんが 今まで どうやって ここまで歩いてきたか そんなことを思いながら 作りたいと思ってる。 まあ あくまで 架空の話だけどね。」

明美「でも なつ姉ちゃんのことを知ってる人は みんな うちの話だって思うんでないの?」

なつ「うん… そうかな?」

坂場「僕は そう思われてもいいと思ってるよ。 それでも恥ずかしくないような リアリティーのあるものにしたいと 思ってるんです。 もともと 原案にしてるのも 作者の実体験ですし。」

信哉「その方が面白いかもしれない。 そういうのが見たいな。」

坂場「あ… はい。」

明美「そしたら うん… 千遥ちゃんが見ても なつ姉ちゃんの話だって 思うかもしれないしね。 うちの家族のことも知ってるわけだし。」

なつ「そうだね…。」

明美「うん。」

坂場「是非 見てほしいよ… どこかで。」

なつ「どこかで見てるって 私は信じてるから。」

優「ちはるちゃんって ママの妹でしょ? 写真の人でしょ?」

なつ「そうだよ。」

台所

坂場「今度の物語だけど…。」

なつ「ソラの話?」

坂場「そう…。 本当に 僕は 君の実体験と重ねるように 描いてもいいと思ってるんだ。」

なつ「えっ…。」

坂場「いや そうしなければ 君と造る意味がないとも思ってる。 十勝に行って 泰樹さんの話を聞いて 開拓者精神の底には 悲しみがあることを感じられた。 人との結び付きを 何よりも大切にする。 他人を家族のように 受け入れる その優しさが生まれることも知ったんだ。 それこそが 僕らの描くべき物語だと思う。」

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