連続テレビ小説「なつぞら」第146話「なつよ、千遥よ、咲太郎よ」【第25週】

千遥「焼き物です。」

なつ「まさか 女将さんが… 女の人が 料理をされているとは 思いませんでした。 本当に 一生懸命 修業されたんでしょうね。 だから ここまで…。 本当に すごいです。」

千遥「いえ… 親方に恵まれただけです。」

なつ「親方? そうですか…。 私も同じです。 人生で いろんな師匠に恵まれました。 おかげで こうして生きてます。」

千遥「そうですか…。」

千遥「お待たせしました。 天丼です。」

一同「頂きます。」

なつ「おいしい…。」

信哉「うん 本当においしい…。」

明美「おいしいです!」

光子「こんなに おいしい天丼は 初めて食べたわ。」

千遥「ありがとうございます。」

光子「ちょっと どうしたの?」

咲太郎「これだ…。 これだよ…。」

千遥「何か ございましたか?」

咲太郎「いや… 戦死した父が 昔 作ってくれた天丼と同じ味なんです。 間違いなく… この味だ。 俺の… 俺たちの父親も 料理人だったんです。」

千遥「そうなんですか?」

なつ「私も 幼い時の記憶しかないですけど…。」

咲太郎「その父親が 昔 天丼を作ってくれたんです。 その味が忘れられなくて…。 食べたくて…。 どうして 女将には それが作れたんでしょうかね…。 不思議だ…。 本当に不思議だよ…。」

なつ「違う…。」

咲太郎「えっ?」

なつ「ねえ 違う… 思い出した。」

咲太郎「何を?」

なつ「お母さんだよ…。 空襲で死んだお母さんが… いつも作ってくれてたんだよ 天丼は…! お父さんが揚げた天ぷらを いつも 横で働いてたお母さんが ダシをとって タレを作って…。」

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