坂場家
リビング
<その晩 なつの家には 咲太郎と信さんが集まりました。>
信哉「それで なっちゃん 咲太郎 千遥ちゃんのことだけど 義理のお母さん 料亭 杉乃屋の女将を 説得できるかどうかだと思う。 でも 決して 話の通じない人じゃないらしい。 誰に聞いても ちゃんと 筋の通った人だって。 そうじゃなきゃ あれだけの料亭を 切り盛りできないからね。」
なつ「調べてくれたんだ?」
咲太郎「ありがとう 信。」
信哉「水くさいこと言うなって。 俺にとっても… 本当に家族だと思ってるんだよ 今でも。 忘れられないんだ。 空襲から1年近く みんなと一緒に過ごした日々が…。 あれがあったから どんなことでも耐えられた。」
咲太郎「うん…。」
なつ「うん…。」
回想
咲太郎「信も一緒に暮らそうな。」
信哉「いいよ 僕は。 家族じゃないし。」
なつ「ダメよ! 信さんも一緒じゃないと。」
千遥「一緒がいい!」
信哉「ありがとう。」
咲太郎「お~ 来た 来た 来た!」
信哉「えっ! おっ 頑張れ 頑張れ 頑張れ…!」
回想終了
信哉「あの千遥ちゃんが また家族になったら… 僕の戦争も やっと終わる気がするよ。」
なつ「信さん…。」
咲太郎「信…。」
<信さん ありがとう。 いつまでも 家族でいて下さい。>