連続テレビ小説「なつぞら」第23話「なつよ、女優になれ」【第4週】

富士子「何でも言い合える仲になったんですね。」

雪之助「もう困っちゃってるよ。」

とよ「だけどね 器は どうするんだい?」

雪之助「うん? 器?」

とよ「うちにも そんなにないよ。 いちいち 洗って使うのかい?」

雪之助「あ~ アイスクリームの器か…。」

妙子「はい。 それ 私 ずっと考えてたんですけど 器に もなかを使ったらどうでしょう?」

雪之助「もなか?」

妙子「もなかの皮です。 それなら 食べればなくなっちゃうし。」

雪之助「アイスクリームのもなかか…。 あっ そういえば あの~ 東京に 修業に行ってた頃にね 小倉を アイスにして もなかを作ったっていう 和菓子屋の話を聞いたことがある。 それは いいかもしんない!」

とよ「それなら うちでも売れるね。 そこで試せばいいのか!」

雪之助「うん!」

妙子「いい考えでしょう?」

とよ「よ~し それでいこう!」

富士子「いいですね!」

とよ「うん ハハハ…。」

雪之助「いや~ 腕が鳴るなあ。」

とよ「鳴らしてみれ。」

<と あっちこっちで盛り上がっています。>

十勝農業高校

演劇部

門倉「もうちょっと 上じゃないのか?」

倉田「よし ちょっと見せて… うん。」

<そして 瞬く間に 月日は過ぎて 大会当日の朝を迎えました。」

柴田家

玄関前

なつ「行ってきま~す!」

剛男 富士子「行ってらっしゃい。」

旧牛舎

泰樹「ほれ。」

なつ「じいちゃん。」

泰樹「おう。」

なつ「行ってきます。」

泰樹「おう 行ってこい。」

なつ「見に来てくれるよね?」

泰樹「ああ 行くさ。 行くからには 必ず勝て。」

なつ「うん… じいちゃんに 何も感じてもらえんかったら 私の負けだから。」

泰樹「ん?」

なつ「私が この芝居 見したいのは じいちゃんだけだから。 じゃ 行ってきます。」

演劇コンクール 十勝地区予選大会

富士子「アイスクリーム入ってますよ。」

とよ「おいしいよ~。」

「よかった。」

とよ「タダだから。」

雪次郎「オホホホホッ…。」

なつ「すごい大盛況だね。」

雪之助「もう 用意した材料が もうすぐ なくなりそうだ。」

雪次郎「いや~ 『勝農魂』か。 あれ? うちの店の名前が どこにも書いてねえな。」

妙子「バ~カ 店の宣伝じゃないの。 あんたたちを応援したくて してることなんだから。」

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