連続テレビ小説「なつぞら」第24話「なつよ、女優になれ」【第4週】

橋上「そだ! 病気の家族を抱えてみれ そんなことは言えないはずだべ!」

雪次郎「お前たちは ペチカ様を犠牲にしてまで 自分たちの家族を助けたいのか!」

なつ「お待ちなさい ポポロ。」

雪次郎「ペチカ様!」

なつ「私は 犠牲になるとは思っていません。」

雪次郎「ペチカ様は あんなやつの嫁になりたいのか?」

なつ「それを望まないことは あなたが 一番 よく分かってくれているはずです。 ポポロ。 だけど 自分のことだけを 考えるわけにはいきません。 そもそも 私たちは その考え方が間違っていたんです!」

門倉「何が間違っていたのだ? ペチカよ。」

なつ「川下の村を 敵と見なすことです。 すぐに争うことです。」

門倉「しかし それは 向こうとて同じことじゃ。」

なつ「だから 私が嫁げば その争いもなくなりましょう。 私にとって 村人は家族です。 血は つながっていなくても 大事な家族なんです。」

なつ「その家族が もし 争いごとに巻き込まれて 命を落とすようなことになったら 私は その悲しみに耐えられない。 だから 私が 家族を守るんです!」

雪次郎「それじゃ 俺は どうなるんだ! 本当の家族もいない俺は お前を失ったら 生きてはいけない!」

門倉「ペチカよ お前とポポロは どうなっておるのじゃ?」

なつ「結婚の約束をしました。 だけど それは諦めなくてはなりません。」

雪次郎「ペチカ… ペチカ!」

門倉「許せよ ポポロ~!」

雪次郎「ペチカ~!」

<絶望したポポロは 山をさまよい歩き ペチカそっくりの女性と出会います。>

雪次郎「ペチカ!」

なつ「いいえ 私は 白蛇です。 あなたに助けてもらった白蛇です。」

雪次郎「神様の使いか!?」

なつ「そうです。 さあ 私は あなたの一番望むことを かなえてあげられます。 何でも言って下さい。」

雪次郎「それでは… ペチカを ほかの誰にも 嫁がせないようにして下さい! お願いします!」

なつ「本当に それでいいのですか?」

雪次郎「はい。 ほかには 何も望みません。 私には ペチカさえいれば それでいいのです。」

なつ「分かりました。 では ペチカを 嫁がせないようにしてあげましょう。」

<それから 間もなくして ペチカは 謎の眠り病になってしまいました。 ペチカを嫁がせない代わりに サケも 手に入らなくなり ペチカも ほかの病人も 死を待つだけとなったのです。>

雪次郎「ああ~!」

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