連続テレビ小説「なつぞら」第25話「なつよ、お兄ちゃんはどこに?」【第5週】

柴田家

居間

夕見子「私 北大を目指すことにしたから。」

剛男「ほく… 北大って 北海道大学のことか!?」

夕見子「ほかにあるの? 北大って。」

富士子「大学行って 何するのさ?」

夕見子「大学は 勉強するとこでしょや。」

富士子「女の子が 大学に行って どうするのさ?」

夕見子「はあ?」

剛男「まあ 北大は もともと農業学校だしな。」

夕見子「農業とは関係ないさ。 私が目指すのは文学部だし。」

富士子「文学って… 十勝に帰ったら 国語の先生にでもなるのかい?」

夕見子「母さん 視野が狭すぎるよ。 どうするかなんて 学んでから考えることだべさ。」

富士子「いや 考えてるうちに年取っちゃうよ。」

夕見子「年取ったっていいじゃない 別に。」

富士子「4年も 大学に行ってたら いい縁談だって 少なくなるかもしれないんだから 女は。」

夕見子「つまんない! 母さんが そんなに つまんない人だと 思わなかったわ!」

富士子「えっ?」

剛男「おい 夕見子。 母さんは お前のためを思って つまんないことを言ってんだ。」

富士子「つまんないの?」

剛男「あ… いや…。」

夕見子「母さんは つまんないことを つまんないと自覚できないんだわ。 それは 結局 この町でしか生きてないからね。 私は 努力して この町から出ていきたいの。 何になるとかじゃなくて 自由になるために。」

富士子「ここには 自由がないって言うのかい?」

夕見子「もっと 広い世界を見たいってことよ。 いいしょや。 ここには なつだって いるんだから。 土地に縛るのは なつだけにしてよね。」

富士子「えっ?」

剛男「夕見子。」

明美「あれっ? なつ姉ちゃん どこ行った?」

夕見子「えっ?」

明美「なつ姉ちゃんに お客さんが来てるわ。」

玄関

信哉「初めまして。 佐々岡信哉と申します。」

富士子「あっ はい…。」

剛男「佐々岡信哉さん?」

夕見子「もしかして…。」

信哉「東京から参りました。」

富士子「東京…?」

信哉「こちらに なつさんという方が お世話になっていないでしょうか?」

泰樹「どした?」

丘の上のキャンパス

<なつよ のんびり 絵を描いてる時では ないかもよ。>

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