連続テレビ小説「なつぞら」第29話「なつよ、お兄ちゃんはどこに?」【第5週】

咲太郎「ありがとうございました!」

富士子「いいのさ。 なつが 家族になってくれて 私たちも幸せだから。」

咲太郎「ありがとうございます。」

富士子「けどね なつはね あんたや 妹さんのことを忘れたことは 一度もないのさ。 あんたも そでしょう? いつか 2人を 新宿に呼ぼうとしてたでしょ?」

咲太郎「えっ?」

信哉「角筈屋書店の茂木社長から聞いたんだ。」

咲太郎「新宿に泊まってるのか?」

富士子「ええ。 川村屋さんには すっかりお世話になって。」

なつ「川村屋さんが 部屋を貸してくれたの。」

咲太郎「えっ! マダムは 何か言ってたか?」

なつ「うん 言ってたよ。 お兄ちゃんは 新宿のムーランルージュを愛してて そこのみんなからも 愛されてたって。」

咲太郎「それだけか?」

なつ「ほかに 何かあんの?」

咲太郎「あ… いや…。」

なつ「ほかに 何があんの?」

咲太郎「ほかにあるなんて 誰が言ったよ。」

なつ「言ってないけど 言ってるみたい。」

咲太郎「言ってないよ。 いつ言った?」

なつ「何言ってんの?」

信哉「咲太郎 どうした?」

咲太郎「いや どうもしないよ。 えっ?」

店員「お待たせいたしました。」

咲太郎「あ! 来た 来た! おい なつ。」

なつ「ん?」

咲太郎「ここの天丼は おいしいんだぞ。 天丼 好きだったろ?」

なつ「私が?」

咲太郎「何だ 覚えてないのか? おやじが よく作ってくれたんだよ 天丼を。 いつか その天丼を 腹いっぱい食いたいって あのころの俺は そればっかり考えてたな。 さあ 食え 食え! 頂きます。」

なつ「頂きます。」

信哉「頂きます。」

咲太郎「うん! どうだ?」

なつ「うん おいしい。」

咲太郎「だろ? だけどな おやじの天丼は こんなもんじゃ なかったんだよ。」

なつ「そなんだ。」

咲太郎「おやじは 日本一の料理人だったからな。 あ… 食べて下さい。 おいしいですよ。」

富士子「そんで… これから どうするの? あんたは どうしたいの? なつを…。」

咲太郎「俺は…。 なつは どうしたいんだ?」

なつ「私は お兄ちゃんに会えたから 今度は 千遥に会いたい!」

咲太郎「千遥か…。」

なつ「どこにいるの?」

咲太郎「それが 分からないんだよ。 おじさんの家 いつの間にか 千葉から引っ越したらしくて。」

なつ「えっ…。」

信哉「じゃあ その後の消息は分かんないのか?」

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