連続テレビ小説「なつぞら」第34話「なつよ、雪原に愛を叫べ」【第6週】

柴田家

詰め所

なつ「どう?」

悠吉「うん うまいよ!」

なつ「でしょ。」

菊介「うまいけど これ 煎餅なのか? 洋風の味だな。」

なつ「バター煎餅なんだから 洋風でいいのさ。」

菊介「ビスケットで いいべさ。」

なつ「あっ ビスケット知ってんだ。」

菊介「バカにすんなよ おい。」

なつ「こんなふうに 帯広のお菓子屋さんが バターを買ってくれるようになれば ここで バターを作っても 無駄にはならないんじゃないかな。」

悠吉「けど 雪月さんは変わってるからな。 ほかの店は バターより 小豆が中心だべさ。」

なつ「これから 変わっていくと思う。 洋菓子が増えていくよ。」

菊介「みんなに バターを売ったら 雪月が怒るべさ。」

なつ「どうして?」

菊介「雪月が特別でなくなるべ。」

なつ「雪之助さんは そんな心の狭い人じゃないよ。」

菊介「分かんねえよ。」

悠吉「会ったことあんのか?」

菊介「会ったことはねえ。」

なつ「ハハハ…。」

悠吉「なら 分かんねえべ。」

菊介「だから 分かんねえって言ってるべ。」

悠吉「はあ?」

泰樹「なつ。」

なつ「ん?」

泰樹「お前と照男に任せる。 2人で考えてやれ。」

なつ「照男兄ちゃんと?」

泰樹「うん。 今日 天陽と 映画行ったのか?」

なつ「うん。 あっ 天陽君 スキー大会出るんだって。」

菊介「おお 出るか! よし この菊介さんが教えてやる。」

なつ「本当?」

菊介「おう。」

富士子「ちょっと いつまで休んでるの?」

菊介「はいはい…。」

悠吉「富士子さん こけたね 今ね…。」

泰樹「照男も スキー大会出る。」

照男「えっ?」

富士子「何?」

泰樹「照男 出るべ。」

悠吉「おっ 照男君と天陽君の戦いかい! 」

菊介「だったら 俺は 照男君の味方だ。 子どもの頃から 俺が教えてきたからな。」

なつ「天陽君は 敵じゃないべさ!」

菊介「いや 照男君が出る以上は敵だ。」

富士子「なつ 牛が待ってるよ。」

なつ「あっ うん 分かった。」

夫婦の部屋

富士子「もし なつが そのこと知ったら どうなるんだろう。」

剛男「そのこと?」

富士子「照男のことよ。」

剛男「ああ…。」

富士子「もし…。 もしもよ 照男に その気があって なつは じいちゃんのためを思って 私たち家族のためを思って それを 断れないと思ったとしたら… それは 2人にとって 残酷な話よね。」

剛男「なつは 天陽君のことが 好きなんだろうか?」

富士子「分からない…。」

剛男「もし そうじゃないとしたら 照男のことを好きなる可能性なんて あるのかな? 本気で。」

富士子「そうなってもらいたいの?」

剛男「君は どうなんだ? もし そうなったら 反対か?」

富士子「私は…。 今のまんまがいい。 ずっと 今の家族でいたい。」

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