砂良「あなた 芝居してるでしょう?」
なつ「芝居なんかしてません! 本当のこと言ってます!」
砂良「そじゃなくて 農業高校の演劇部で。」
なつ「えっ?」
砂良「倉田先生の生徒でしょ?」
なつ「えっ 知ってるんですか? 倉田先生を?」
弥市郎「よ~く ここへ来て 俺らの話を しつこく聞きたがっていたからな。」
なつ「ああ… あの先生 いろんな人の話を聞きたがるんです。」
回想
倉田「お前の思い じいちゃんに響かせろ。」
回想終了
弥市郎「ハハハ… 見たぞ あんたの芝居。」
なつ「あ~…。」
砂良「倉田先生が どうしても見てくれって言うから。」
なつ「そなんですか。」
砂良「今日 泣いてたべさ? 歩きながら。」
なつ「あ…。」
砂良「それ 見てたんだわ。 もうじき 吹雪になるのに のんきに泣きながら歩いてる人がいるな 大丈夫かなって見てたら あんただった。」
なつ「のんきに泣いてるつもりは なかったんだけど…。 それが 命取りになって お二人に ご迷惑をおかけしたんですね。 すいません。」
砂良「あんた しっかりしてんのか 子どもなのか 分かんないね。」
なつ「あっ はい…。 多分 しっかりした子どもなんです。」
弥市郎「自分で言うか。 ハハハ…。」
砂良「ハハハ…。」
柴田家
夫婦の部屋
剛男「なつは 本当に 天陽君ところに 無事着いたんだろうか?」
富士子「そんな… おっかないこと言わないでよ。」
剛男「あっ… ごめん。 今頃 天陽君と どんな話をしてるんだろう。 本当に 照男の気持ちは それでよかったのかな。」
回想
照男「じいちゃん 俺は ダメだった。 なつは やっぱり 妹にしか思えないよ。」
回想終了
富士子「なつのことも 真剣に考えて あの子が出した答えなんだから。 きっと 何も変わってない。 私たちは 何も変わってないはずだわ。」