山田家
牛舎
なつ「こんにちは。」
(鳴き声)
天陽「なっちゃん…!」
なつ「えっ! 生まれたの!?」
正治「ああ。 さっき生まれたんだわ。」
なつ「どっち?」
タミ「メスさ!」
なつ「やった~!」
天陽「やったわ なっちゃん!」
なつ「初乳は飲ませた?」
天陽「あっ いや まだ…。」
なつ「何やってんの! 教えるから!」
道中
天陽「なっちゃん!」
なつ「天陽君…。」
天陽「なっちゃん…。」
なつ「どしたの…?」
天陽「なっちゃん… 俺は待たんよ。」
なつ「えっ?」
天陽「なっちゃんのこと ここで… 帰るのは待たない。 なっちゃん… 俺にとっての広い世界は ベニヤ板だ。 そこが 俺のキャンバスだ。 何もないキャンバスは広すぎて そこに向かってると 自分の無力ばかり感じる。]
天陽「けど そこで生きている自分の価値は ほかのどんな価値にも流されない。 なっちゃんも 道に迷った時は 自分のキャンバスだけに向かえばいい。 そしたら どこにいたって 俺と なっちゃんは 何もない 広いキャンバスの中で つながっていられる。 頑張れ! 頑張ってこい なっちゃん。」
<ああ なつよ 万感の思いを込めて 未来に向かえよ…。 来週に続けよ。>