咲太郎「それで どうですか? なつは ものになりそうですか?」
なつ「お兄ちゃん!」
仲「大丈夫ですよ。 やる気さえあれば。 まあ ただ もうからないし きつい仕事ですけどね。」
咲太郎「まあ 初めは 何でも そんなもんですよ。」
仲「軽い気持ちで 妹さんを誘ってしまった手前 僕も援護します。」
咲太郎「あんたが誘った? そりゃ 責任重大だよな…。 裏切ったら 海に浮かぶよ。」
なつ「ちょ… お兄ちゃん!」
咲太郎「いや ジョークだよ。 ショービジネスのジョーク。」
陽平「あっ さっき これを そこの本屋で買ってきたんだ。 仲さんが 面白い本だって言うから。」
なつ「えっ 何ですか?」
陽平「見てみて。」
なつ「すごい…。 馬の動きが よく分かる。」
陽平「それを なっちゃんに プレゼントするよ。」
なつ「えっ!」
仲「アニメーションのために 作られたものじゃないけど 動きの基礎を勉強するには いいと思うんだ。 うん。」
社員寮
厨房
<仕事や勉強を重ねながら なつの東京での日々は あっという間に過ぎていきました。>
<そして 2か月がたち アニメーターになる試験の日を 迎えました。 そこには 絵心ある若者たちが 全国から集まっていました。>
臨時採用試験会場
なつ「じいちゃん… 行くべ。」
<ああ なつよ その扉を押し開けよ。 来週に続けよ。>