連続テレビ小説「なつぞら」第54話「なつよ、夢をあきらめるな」【第9週】

野上「ああ…。」

なつ「はい。」

光子「それより あなたが 人のために無理しちゃダメよ。 夢を追いかけるのは… 女が働くといういうことは それだけで 大変なことなんだから。 しっかり 自分を持って 自分を支えていきなさいね。」

なつ「はい。 分かりました。」

光子「まあ これからも 新宿にいるなら 寂しくないわよね 野上さん。」

野上「いや 私は 寂しいなどとは…。」

なつ「これからも ここに ちょくちょく来ますから。 来てもいいですか? 野上さん。」

野上「お客様で来られるなら どなたでも歓迎します。 ただし ほかのお客様に ご迷惑にならなければ。」

なつ「はい。」

野上「フフフ…。」

光子「いつでも いらっしゃい。」

なつ「はい。」

光子「頑張ってね。 おめでとう なっちゃん。」

なつ「ありがとうございました。」

(笑い声)

野上「何?」

光子「泣いてる?」

野上「泣いてない…。」

厨房

佐知子「なっちゃん お願いします。」

なつ「はい。」

<なつは 上京して半年間 川村屋で働きました。 川村屋の仲間とも これでお別れです。>

なつ「皆さん 今日で最後です。 短い間でしたが 本当にお世話になりました。 ありがとうございました!」

(拍手)

杉本「なっちゃん ご苦労さん。 よく働いた。 どこ行っても その調子で頑張れ!」

なつ「ありがとうございます。」

(拍手)

「頑張れ!」

「頑張れ なっちゃん!」

「なっちゃん 頑張れ!」

社員寮

佐知子「本当に 行っちゃうのね。 寂しくなるわ。」

なつ「お店に行けば また いつでも 佐知子さんに会えますから。」

咲太郎「そうだよ。 いつでも会えるよ さっちゃん。」

なつ「いつでも そういうこと言うのやめて。」

佐知子「いつでも待ってるからね 咲ちゃん。」

咲太郎「ああ。」

なつ「その鈍感な返事もやめて!」

雪次郎「あっ なっちゃん 咲太郎さん 引っ越しなら手伝うべ。 せっかく 今日休みだし。」

なつ「大丈夫。 そんな荷物ないから。」

咲太郎「あ そうだ 今夜 なつの就職祝やろうと思うんだ。 さっちゃんも 雪次郎も来い。 俺が おいしいもん作ってやるからな。」

なつ「えっ お兄ちゃん 料理できんの?」

咲太郎「何でも できちゃうんだよな 兄ちゃんは。」

雪次郎「それで 何者でもないのが不思議ですよね。」

なつ「あ~ うん…。」

咲太郎「えっ…。」

雪次郎「えっ?」

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