一同「頂きま~す。」
なつ「うん!」
カスミ「うん!」
信哉「うん うまい! こんなうまい天丼 初めて食った!」
咲太郎「信… そんな喜ぶなよ。 お前も苦労したからな。」
なつ「信さんは 苦労が報われてるの。 今は放送記者なんだから。」
信哉「まだ修業中だよ。」
なつ「お兄ちゃんも 報われる修業をしないとね。」
咲太郎「はい 分かった 分かった。」
雪次郎「咲太郎さんは 役者やダンサーを目指さないんですか?」
咲太郎「ん?」
亜矢美「私もね どうせ やるなら ちゃんと勉強しろって言ってんだけど 裏方ばっかり やりたがんのよね この子。」
カスミ「昔から そうだったわよね 咲坊は。」
咲太郎「何か好きなんだよな 裏の仕事って。 表に立つ いい役者や いい芝居が見られると それで満足しちゃうんだ。」
なつ「へえ…。」
信哉「咲太郎らしいといえば 咲太郎らしいけど。」
なつ「おんなじかも。」
咲太郎「えっ?」
信哉「何が おんなじなの?」
なつ「私も そういう仕事がしたい…。」
信哉「うん。 本来 仕事って そういうもんだよ きっと。 人目に触れない人たちの活躍で 物事の大半は作られてるんだ。」
雪次郎「俺も裏方だな 今は…。」
佐知子「今は?」
咲太郎「何でもいい。 自分を生かす仕事を見つけた者は 幸せだ。」
なつ「うん。」
咲太郎「ハハハ…。」
雪次郎「おいしい。」
咲太郎「おいしいか。 いっぱい食ってくれ。」
2階なつの部屋
亜矢美「攻めの赤に… あっ… このレモンちゃんで 爽やかさん。 フフフ…。 はい。 で 一番上留めると 何か かわいいよ。 ほら かわいいよ。」
なつ「えっ…。」
亜矢美「どうだ。」
なつ「いいです… すてきです!」
亜矢美「初日だからね ほどほどに 派手ぐらいでいいんじゃないの。」
なつ「亜矢美さん これから よろしくお願いします。」
亜矢美「あっ… どうしたの? 何か こちょばいよ こちょばい…。 何か うれしいけど フフ… よろしくお願いします。 はい 行ってらっしゃい!」
なつ「はい 行ってきます!」
亜矢美「はい。 あっ じゃあ 私 靴の色 見てくるね…。」
なつ「あっ ありがとうございます。」
咲太郎の部屋
咲太郎「(いびき)」
なつ「行ってきます お兄ちゃん。」
東洋動画スタジオ
<なつよ 新しい日々が始まる。 思う存分 自分の絵に 命を吹き込めよ。 来週に続けよ。>