信哉「よいしょ…。」
咲太郎「あっ そうだ なつ いいもん買ってきたんだ。」
なつ「えっ?」
咲太郎「はい。 アメリカ製の靴墨だ。 これがあれば もっと客が来るぞ。 悪いけど もう少しの辛抱だ。 これで頑張ってくれ。」
なつ「大丈夫。 私 靴磨きは得意だから。 任しといて! 千遥 一緒に頑張ろうね。」
千遥「うん!」
咲太郎「ありがとう。」
信哉「頑張れよ。」
なつ「うん。」
なつ<私たちは ささやかだけど 幸せを感じることができのです。 あの日までは…>
子ども「狩り込みだ! 狩り込みだ! 狩り込みだ~!」
「全員 そのまま動くな!」
「これから 諸君を保護する。」
咲太郎「信 狩り込みだ! なつを頼む!」
信哉「分かった! 行くよ なっちゃん。」
「うわっ…!」
(子どもたちの叫び声)
信哉「なっちゃん 俺が出て引き付けるから その間に逃げろ。」
なつ「嫌だよ! 信さんも 一緒に行こうよ!」
信哉「俺は 必ず なっちゃんに会いに行くよ。 どこにいても きっと見つける。 またね。」
なつ「信さん!」
信哉「放せ 放せ…!」
なつ「信さん!」
「止まりなさい! 待ちなさい!」
なつ<その日から また 私たちの人生は一変したのです>
なつ「放せ!」
回想終了
「サンキュー。」
なつ「サンキュー! アイ ラブ アメリカン! シューシャイン! いらっしゃい!」
警察官「一人かい? どっから来たの? ちょっと おいで。」
なつ「あっ!」
警察官「いいから おいで。」
剛男「どうしたんです?」
泰樹「いや…。」
雪月
泰樹「おい いるか?」
とよ「おいって 何さ~。 あれっ もしかして あなた 富士子さん?」
富士子「はっ?」
とよ「あなたが 婿の… 剛男さん? 今度こそ 柴田さんのご家族?」
剛男「今度こそ? はい こんにちは。」
泰樹「そんなことは どうだっていいから なつは いるか?」
とよ「なつ?」
泰樹「こないだ来た あの子だ。」
とよ「ああ… あの子が どうかしたの?」
富士子「いなくなったんです。」
とよ「えっ!」
泰樹「なつは ここには来てないのか。」