連続テレビ小説「なつぞら」第8話「なつよ、夢の扉を開け」【第2週】

咲太郎「おじさん!」

剛男「咲太郎君…。」

咲太郎「なつだけ… 妹だけ お願いできませんか?」

剛男「君は どうするんだ?」

咲太郎「俺まで行ったら 下の妹が かわいそうだから…。 千遥を 迎えに行けなくなるから…。 それに なつのことも 必ず そのうち 迎えに行きますから! だから それまで…。」

咲太郎「大丈夫だよ なつ ちょっとの辛抱だ。 手紙を書くから。 兄ちゃん しっかり働いて 必ず なつを迎えに行くからな。 千遥と一緒に 迎えに行くよ。」

咲太郎「だから おじさんの家で 辛抱して待っててくれ。 なっ? おじさん お願いします。 なつを幸せにして下さい。 不幸にしたら 絶対 許さねえからな! 覚えとけ!」

剛男「はい!」

回想終了

剛男「それから あの子は 泣かずに 私についてきました。 今 思うと あの子は お兄さんの負担を 少しでも減らそうとしたのかもしれない。 だから 必死に我慢して…。 そのお兄さんに どうしようもなく会いたくなっても それは しかたがないさ。」

富士子「あの子は さぞ怒ってるでしょうね。 大人らに あっちに行かされ こっちに行かされて。」

泰樹「怒りなんていうのは とっくに通り越しとるよ。 怒る前に あの子は諦めとる…。 諦めるしかなかったんだ。 それしか 生きるすべがなかったんじゃ。 あの年で…。 怒れる者は まだ幸せだ。」

泰樹「自分の幸せを守るために 人は怒る。 今のあの子には それもない。 争いごとを嫌って あの子は 怒ることができなくなった。 あの子の望みは ただ 生きる場所を得ることじゃ。」

河原

天陽「うわ~…。」

なつ「あっ 天陽君!」

天陽「奥原… なつ?」

なつ「どうしたの?」

天陽「兄ちゃんと 帯広に買い物に来て 俺は ここで釣りをしてる。」

なつ「お兄ちゃんがいるんだ。」

天陽「君は?」

なつ「うん… 私も家族と。」

天陽「家族って 柴田夕見子の?」

なつ「うん。 買い物に来て… ここで待ってるの。」

雪月

剛男「とにかく その辺を捜してきます。」

泰樹「おい ちょっと待て。 あの子は賢い。 もし 一人で生きようとするなら 水だ。」

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