連続テレビ小説「なつぞら」第90話「なつよ、ワクワクが止まらない」【第15週】

1階店舗

なつ「見失っちゃった…。 もう どうしよう…。」

亜矢美「でも また来るみたいな感じでね 言ってたけどね。」

なつ「したけど 北海道の家族には知らせないと…。」

亜矢美「でも… 今は あの子の信頼を なっちゃんが なくさないようにすることの方がね 大事かもしれないね。」

なつ「そうですけど…。 はあ… 私は どうしたらいいか…。」

雪次郎「夕見子ちゃんはね 僕の初恋だったんですよ。」

レミ子「それは 今 どうでもいいでしょ。」

雪次郎「夕見子ちゃんはね 男にね…。 恋に溺れるような人じゃないんですよって!」

レミ子「それは あんただったからでしょ。」

咲太郎「雪次郎 お前は大丈夫なのか?」

雪次郎「はい。 目が覚めましたね。」

咲太郎「よし… 母ちゃん おでん。」

<今は 夕見子ちゃんを ここで待つしかありませんでした。>

東洋動画スタジオ

<そして なつの仕事は 待ってはくれません。>

作画課

(ドアの開閉音)

麻子「こっちは 怪物のキャラクターがそろえば いつでも 作業入れるから。」

坂場「分かりました。」

麻子「奥原さん。」

なつ「はい?」

麻子「何 ぼんやりしてんの。 絵描けたの?」

なつ「あっ…。 これです。」

坂場「これが 最後に出てくる 木の怪物のイメージですか?」

なつ「はい。」

麻子「よく こんなもの思いついたわね。」

なつ「私の親戚が作ってる彫刻から イメージしたんですけど。」

麻子「あなたの周りには いろんな人がいるのね。」

なつ「はい… 本当に いろいろいます。」

なつ「何かあったの?」

なつ「あっ いえ…。」

麻子「これ 面白いじゃない。」

なつ「本当ですか? よかった…。」

麻子「イッキュウさん どう?」

坂場「うん いいですよ。 とにかく これで 絵コンテを最後まで作ります。」

なつ「はい。」

麻子「よろしく。」

<そして 数日がたち 短編映画の絵コンテが やっと出来上がりました。>

下山「うん…。」

麻子「面白いわよ これ。」

なつ「本当ですか?」

麻子「やっと やりたいことが 見えてきた気がする。」

なつ「よかった…。」

下山「よし やっと ここまで来たんだ 必ず完成させよう。 あっ 人手が足りないかもしれないけど マコちゃんとなっちゃんは どんどん原画を描いて ラフでもいいから 描き飛ばしてよ。」

麻子「はい。」

なつ「分かりました。」

下山「で 茜ちゃんと堀内君は それをクリーンナップして どんどん動画を描き進めてね。」

茜「はい。」

堀内「分かりました。」

神地「あの… 僕も 原画を描いちゃいけないでしょうか?」

下山「おっ… どうしよう?」

坂場「絵コンテも手伝ってもらったし 私は構いませんが。」

下山「マコちゃんとなっちゃんは どうかな?」

麻子「できるものなら やってみれば?」

なつ「はい… 私も みんながよければ。」

下山「うん。 茜ちゃんと堀内君は構わない?」

堀内「いや…。」

茜「別に いいですよ。 動画も 手を抜かずに覚えられるなら。 ねえ?」

堀内「うん…。」

下山「うん じゃ… やってみる?」

神地「はい 分かりました!」

下山「よし じゃ 作業開始!」

一同「はい!」

<なつたちの足並みも ようやく そろったようです。>

おでん屋・風車

玄関

なつ「ここです。 本当に ここでいいんですか?」

坂場「もちろん。」

なつ「ちょっと のぞいてみます。」

1階店舗

なつ「ただいま。」

夕見子「あっ お帰り なつ。」

なつ「夕見! どこいたの! 何してたのさ!」

雪次郎「まあ… 落ち着いて なっちゃん。」

カスミ「この子 しっかりしてるわよ。」

なつ「カスミさんにも 何か話したんですか?」

カスミ「うん…。」

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