連続テレビ小説「なつぞら」第93話「なつよ、恋の季節が来た」【第16週】

(呼び出し音)

柴田家

居間

(電話の呼び鈴)

なつ『もしもし 母さん?』

富士子「なつ! どしたの こんな時間に… 何かあったの?」

なつ『うん 母さん… 夕見が… 夕見子が…。』

富士子「夕見子が…。」

なつ『もし 私がしゃべったら もう ここにも来ないって! したから もし 夕見から連絡があっても 聞かなかったことにしといて。』

富士子「あ… 分かった。 よく知らせてくれたわね なつ。」

なつ『ねえ どうしよう 母さん…。』

富士子「とにかく なつがいてくれて いかったわ…。 こっちのことは大丈夫だから あの子のそばに いてやってちょうだい。」

なつ「そりゃ もちろん…。 私に できることがあれば 何でもするけど…。」

富士子『どうするか考えてみるわ。 また連絡するね。』

なつ「いや…。 そっちからは まずいわ! また こっちからする。」

富士子『分かった… じゃ お願いね。 したらね…。』

剛男「どしたんだ?」

富士子「あっ びっくりした…。」

泰樹「誰からだ?」

富士子「えっ? ああ… なつから。」

泰樹「なつが どした?」

剛男「何かあったのかい!?」

富士子「ううん… 何も。」

剛男「何もって… こったら時間にかけてきて。」

富士子「何もないの。 何か 眠れなくなったみたいで…。」

剛男「何か お願いって言ってたでないか。」

富士子「いや… あっ お願いだから寝てちょうだいって。」

富士子「もう切れてるわ。」

泰樹「分かってる…。」

おでん屋・風車

1階店舗

(電話が一瞬鳴る音)

<なつよ… 大丈夫だ。 みんなと つながってるから。>

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