連続テレビ小説「なつぞら」第94話「なつよ、恋の季節が来た」【第16週】

あらすじ

東洋動画では、なつ(広瀬すず)や麻子(貫地谷しほり)たちが原画を描いている。そこへ演出を担当する坂場(中川大志)が現れ、描き直しの指示をする。周囲は原画を描いた経験のない坂場の進め方に疑問を持つが、理屈を並べる坂場に、反論できずにいた。そんな中、なつは背景画を担当する陽平(犬飼貴丈)の所へいき、愚痴をこぼす。すると陽平は、なつの知らない坂場と天陽(吉沢亮)の意外なつながりについて語り始めて…。

94話ネタバレ

東洋動画スタジオ

作画課

<なつたちの短編映画 『ヘンゼルとグレーテル』の作画作業は 大詰めを迎えていました。>

坂場「う~ん…。」

麻子「まだ不満ですか?」

坂場「この鳥は 何をしたいんでしょうか?」

麻子「何って ヘンゼルとグレーテルを 助けたいんでしょ。」

坂場「それだけですか?」

麻子「ほかに 何があるんですか?」

坂場「鳥たちは この森に 魔女がいること自体に ずっと 不満を 持っていたんじゃないでしょうか?」

麻子「不満?」

坂場「だから ヘンゼルとグレーテルを 助けたいんだと思うんです。 その不満が見えてこないんですよ。 鳥たちが 一致団結して 魔女に抗議してるように見えないんです。 このシーンは 鳥たちが まるで… デモをしてるように見せたいんです。」

麻子「でも!?」

坂場「それで 描き直してみて下さい。 お願いします。」

麻子「そんな思いつきで言われたって困るのよ! こんなんじゃ いくら描いても この作品は終わんないわよ!」

坂場「思いつきではありません。」

麻子「人の描いたものを見てから いつも 何か言うじゃないの!」

坂場「それは 何がダメかを思いついてるだけです。」

麻子「はあ!?」

なつ「マコさん 落ち着きましょう!」

坂場「とにかく描き直して下さい。 お願いします。」

麻子「何なの あの人は! 腹立つ!」

なつ「怒ると 余計に腹が立ちますよ。 腹が立ってることを ますます意識するだけですから。」

麻子「うるさいわね。 あんたまで そんな 持って回った言い方しないでよ。」

なつ「すいません。」

下山「厳しいね イッキュウさんは。」

茜「うん 確かに。 悪いところばっかり よく思いつきますよね。」

なつ「けど 冷静に考えると なるほどって思うことも多いんですよ。」

麻子「こんな何度も描き直してたら なるほども どっか行っちゃうわよ。」

堀内「昔の君も あんな感じだったけどな。」

麻子「一緒にしないで。」

神地「俺の原画は 褒めてくれましたけどね。」

麻子「何が言いたいの あんた。」

なつ「マコさん! 冷静に。」

<なつは 最後に ヘンゼルとグレーテルを救う 木の怪物の動きに 四苦八苦していました。>

坂場「木は こうやって歩くんですか?」

なつ「えっ?」

坂場「木が こんなふうに歩くと思ったのは なぜですか?」

なつ「なぜ…。 何となく…。」

坂場「な… 何となく? というのは 根拠がないということですか?」

なつ「いや 木は もともと歩かないので 根拠はありません。」

坂場「それじゃ この木は 樹齢何年ですか?」

なつ「樹齢?」

坂場「この木が森の中で どれくらいの年月を こう 過ごしてきたのか 歩き方に それが見えないと ダメだと思うんです。 そこを 根拠にしてみて下さい。」

なつ「いや そんなこと言われたって… 分かりませんよ!」

麻子「まあ 落ち着いて。 怒ると余計に腹が立つわよ。」

坂場「とにかく描き直して下さい。 お願いします。」

なつ「えっ いや 無理です…。 そんなの無理です!」

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