【行列の女神~らーめん才遊記~】1話ネタバレ

もやしめん

らーめん才遊記の画像

有栖涼「美味いー、ラードに浮かべられたもやしと野菜、豚ひき肉のうま味があっさりしょうゆのスープにコクを与えてメリハリの効いた味に仕上がっている。ガッツリ系ラーメンとしてのインパクトも十分だ!」

汐見ゆとり「このラーメン凄く”ワクワク”します。でもこれって?」

芹沢達美「そう!あなたの気づいた通り」

汐見ゆとり「芹沢社長!」

芹沢達美「言ったでしょう?3日で成果がでるって?この店は時代に取り残されたダメなラーメン屋の典型だったのよ。店の中も外も薄汚れていてメニューも平凡、今時わざわざこんな店に来て食事しよう思うのは、よっぽどの物好きね。」

郷田正一「へへっ、むかつくが何一ついい返せねえ」

芹沢達美「本来なら店を大幅に改装した上でメニューを刷新すべきするところをその予算もない。だから改装の代わりにあなたに掃除をさせたのよ。」

有栖涼「古い店は磨き抜きさえすれば新しい店にはない魅力を引き出せますからねー。落ち着いた懐かしい雰囲気。所謂レトロって奴だ。」

汐見ゆとり「あぁ、なるほど!」

芹沢達美「次にメニューをしまった。表にある大書きさせた、もやし麺の文字、あれ見てあなたどう思った?」

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汐見ゆとり「どう思ったって、迷わずもやし麺を食べてみようかなって思いました。」

有栖涼「それはつまりお店の自信が伝わってくるって言うことでしょう?ここのもやし麺は美味いんだぞ!っていうね。」

汐見ゆとり「そっか!お店の前で”ピクピク”って来たのはちゃんと理由があったんですね。それに実際の味も・・・」

郷田正一「へい!お待ち!」

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芹沢達美「あなたも気づいた通りそのもやし麺自体の作り方は一切変えてない味付けも全く同じ」

汐見ゆとり「そうなんですよ!これ前と同じなのに同じじゃないんです。」

芹沢達美「そう、上に乗せたもやし炒めの量を増やしただけ、でもその効果はてきめんだってでしょう~」

有栖涼「なるほど。ラードや調味料の味が増えたことで結果的にあっさりしょうゆスープにコクと深みを生んだのか」

汐見ゆとり「それに量を増やしたことで火の通りすぎが解消され、もやし炒めもシャッキシャキです!」

芹沢達美「汐見が最初に作った鳥白湯ラーメンのようにややこしい調理。ここのご主人に無理だもの。誰にでも出来る簡単な改良ってこういうことを言うのよ!」

有栖涼「それにメニューを絞れば食材の無駄がでなくなりますしね。」

郷田正一「社長さん。あんた内の店を救ってくれた。だららその、謝礼が3万では申し訳ねえな。」

芹沢達美「いーえ、持ってきた暖簾もお品書きのボードも内の倉庫に置いてあった物なので元手はタダです。なにより新入社員の教育に手ごろな案件だったので」らーめん才遊記の画像

汐見ゆとり「えっ?」

芹沢達美「協力してもらったお礼にコンサルティング料に3万を相殺ということで手を打ちましょう。」

郷田正一「そっ相殺って!タダってことかい?」

芹沢達美「そういうことです。じゃあ仕事は終わったから会社に戻るわよ汐見?」

汐見ゆとり「えっ?えっ?それってつまり?」

芹沢達美「入るんでしょ?内の会社に

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汐見ゆとり「はい!」

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場面代わって帰りの道中で

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芹沢達美「汐見。あの京来軒の夫婦みたいなのをこの業界でなんて言うのかをなんていうかを教えてあげましょうか?・・・能無しの怠け者っていうのよ」

汐見ゆとり「そんな酷い言い方」

芹沢達美「あの老夫婦、長年何もせず、常連客の存在に甘えて店が潰れそうになって初めて危機感を抱いたフードコンサルティングに頼ってくる客の中には、ああいう自立心の無い連中が沢山居るわー親身になっても無駄足になることが多いから気を付けるのよ?」

汐見ゆとり「ならどうしてタダにしてあげたんですか?」

芹沢達美「3万ポッチのはした金を受け取るより人助けしたって形の方が売り込みやすいから」

汐見ゆとり「売り込み?」

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芹沢達美「今度テレビ局の取材を受けることが決まってるの、最初あの店に入った時ピンってきたのよねー。人情話しにあの夫婦を出演させたら私の評判がますます上がるだろうなって。」

汐見ゆとり「なんですかそれ、だったら最初から郷田さん達を利用するつもりで?」

芹沢達美「当たり前じゃない。じゃなかったら、あんなしみったれた店、相手になんかしないわよ?」

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汐見ゆとり「ひどい!お客さんとはもっと”ポカポカ”したあったかい関係で居ましょうよ」

芹沢達美「寝言は寝て言え!」

場面変わり京来軒にて

郷田正一「あの社長さんはさあ、態度はデカいが根は人情深いんだねー。」

有栖涼「芹沢社長なんか言ってましたか?」

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郷田秋江「メニューを絞った一番の理由はお客様が増えた時、私達の負担が減るだろうからって」

郷田正一「もう年なんだし体を大事にして商売を続けなさいだと、いやーあの人は俺達にとっちゃ、女神様だー」

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場面変わり清流企画にて

河上堅吾「というわけで今日から汐見ゆとりさんが我が清流企画の社員となります」

汐見ゆとり「よろしくお願いします。」

河上堅吾「ええっと、じゃあまず汐見さんには書類の整理から」

汐見ゆとり「あっあの私、京来軒さんからホームページ作るお手伝いを頼まれているので行ってきてもいいですか?」

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河上堅吾「またそういう勝手なことをー」

芹沢達美「構わないわよ。チェックはさせてもらうから。」

汐見ゆとり「では早速行ってきます。」

河上堅吾「社長、どうして彼女を採用することに?」

芹沢達美「わたしもわからないのよ。もうどういうわけか見てるとイラッとするし清湯麵の欠点ズバリと言い当てられてもう本当に頭にきてるハズなのに」

河上堅吾「なんとなく理解できました。」

芹沢達美「何?」

河上堅吾「ああ、いえいえ」

芹沢達美「新作の試作してるから、なにかあったら調理室に来て」

河上堅吾「わかりました。」

芹沢がそう言い残してその場を後にし

河上堅吾「似ているからですよ若い頃の社長に」

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場面変わり京来軒にてホームページの写真を撮影中のゆとり

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場面変わり清流企画の調理室にて

昔の自分を思い出して昔のように湯切りをしようとした時にタイミング悪く河上が来て湯切りを辞める。

河上堅吾「京来軒のホームページ用の写真が送られてきたんですが、これ、いいんでしょうか?従来のイメージを覆したいと汐見さんがアイディアを出したんですが。」

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芹沢達美「いいんじゃない?別に」

河上堅吾「社長がそうおっしゃるなら」

そういってその場を後にする河上

芹沢はパソコンで清流企画のホームページを見ながらポーズを取る

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またタイミング悪く河上が来てその様子を目撃されてしまうのだった。

河上堅吾「失礼しましたー」

と今度こそ去る河上www

芹沢達美「しおみーーー!」

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